ビジネス編  Vol.78
森平 英津子さん
東京世田谷区出身、成城学園高校からベイエリアのコンコ−ド高校に水泳でオリンピック出場を目指しトレーニングのために転校。その後、ミシガンのフェリス州立短大を卒業。1990年に外資系航空会社に通訳として乗務。結婚し息子が産まれるが離婚、息子を1人で育てる決心をしてベイエリアで過ごす事になる。1995年モリダイラ楽器のアメリカ支社MORIDAIRA USAに勤務、現在社長を勤める。家族はサンタクララ大学3年のアレックスとラブラドール犬。
日本とアメリカをギターでつなぐ
1970年代の日本のフォークブームを支えたギターメーカー、モーリスのアメリカ支社MORIDAIRA USAの代表を務める森平さん。16歳で留学したときの事や現在のベイエリアでの暮らしぶりなどを伺いました。
森平 英津子さん

(Itsuko Moridaira)BaySpo 1344号(2014/08/29)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ
 1986年にベイエリアのコンコード高校に留学のために来ました。当時水泳でオリンピックに行く夢があり、それに向かっての水泳留学と、英語で苦労した父が「将来は英語が話せないと国際人にはなれない」と考えていたという理由で、兄弟一人ひとりを順番にアメリカに留学をさせることにしたので、高校2年の時に1人で渡米しました。

ベイエリアの印象
 16歳だった私の最初の印象が青い空と、カラリと湿気のない空気。なにもかもがキラキラして見えました。

自分の専門分野について
 父が創り上げたモーリスギターをアメリカで販売しています。「モーリス持てばスーパースターも夢じゃない」このキャッチフレーズを聞いた事がある方も多いのではないでしょうか。MORIDAIRA USAはアメリカの楽器類を買い取って日本の本社へ、そして日本の皆さまにアメリカ製の楽器を届けることもしています。1年に1度アナハイムで行われる楽器のショーでは、日本から持参する最新のモーリスの展示をしています。世界中の楽器卸業の方々に説明をして、モーリスギターに触れて、弾いてもらっています。日本でも今年は11月に幕張にて楽器フェアを開きます。モリダイラ楽器のブースにはカタログでしかみれない最新モデルがたくさん展示されますので、是非日本にお立寄りの際にはいらしてください。

その道に進むことになったきっかけ
 私の父、森平利男はアメリカに直接渡り、ギブソンとフェンダーの代理店権を持ち帰ってきた楽器業界のパイオニアでした。その後モリダイラ楽器を設立してモーリスギターを創りあげました。2011年に父は他界してしまいましたが、兄と弟が引き継かず私がアメリカの支社を継ぐ事になりました。

英語で仕事をするということ
 20歳の時の最初の仕事で英語をすでに使っていたので特に抵抗はありませんでした。

英語で失敗したエピソード
 16歳で渡米した時は英語が全く話せませんでしたのですべてが失敗だらけでした。初日に「朝食はなにを食べるの?」って聞かれて、「I eat パン」と答えていました。パンが英語だと思っていたくらいですから、その後の1年程は何で失敗しているかもわからないほどでした。学校でも先生の言っていることがさっぱりわからなかったので大変でしたね。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 それでも、この仕事についていたと思います。もっと精神的に楽に仕事できると思いますけどね。

あなたにとって仕事とは?
 4畳ほどのアパートで、小さな息子と2人で暮らしている時は毎日の生活費を稼ぐのに精一杯で、仕事とは生きていくためにすることだと思っていましたが、仕事を通じて素晴らしい出会いもありました。たくさんの人に助けてもらいました。笑顔をもらいました。幸せな一時ももらいました。出会いは私には宝物。大切にしていきたいです。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 小学校の時に漫画の本を見て看護師に、中学では国際線のスチュワーデスになりたいと思っていました。

いまの仕事に就いていなかったら
 温泉宿の女将を目指していたかな?

現在、住んでいる家
 グリンバレーの一軒家。噂ではウインチェスター・ミステリーハウスよりも恐ろしいと言われるほどの家です。13歳になるラブラドール犬がこの家を守ってくれています。

;乗っている車
 BMW3シリーズとトヨタのセコイヤ。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 睡眠時間は7〜8時間くらい。11時から朝の6時です。

休日の過ごし方
 息子とミツワでデート、もしくはゴルフをします。

好きな場所
 カーメルビーチ。犬がのびのびと走り回れるのが魅力です。

最もお気に入りのレストラン
 基本的には家でご飯をたべるのが大好きです。でも肉が大好きなので選ぶとしたら、ヨントビルの近くにあるスペアリブ専門店「Rutherford Grill」です。

よく利用する日本食レストラン
 残念ながら近辺には日本食レストランがありませんので、日本に帰ったときにたくさん日本食を食べてきます。

1億円当たったとして、その使い道
 たくさんの人に直接触れて弾いてもらいたいので、モーリスギター専門店を建てたいですね。残りは旅行に使います。

日本に戻る頻度
 1年に4〜5回です。

最近日本に戻って驚いたこと
 女性の皆さんが白くて細い。私が日焼けしてしまっているからでしょうか。

日本に持って行くお土産
 ホールフーズなどで購入できるオーガニック系のローションやナッツ類。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 空港に行く直前にデパートに立ち寄り、まんじゅう、団子など、日本ならではの和菓子を買います。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 私の住んでいる場所が田舎なので、車がないとどこへも行けないということですかね。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 ベイエリアに限らないのですが、もし犯罪などに巻き込まれたり、大きな病気にかかったら、家族が日本にいるのでどうしようと思うと不安になります。

日本に郷愁を感じるとき
 温かいお風呂に入りたいと思ったときですね。

お勧めの観光地
 ハワイ島。世界三大パワースポットがあるマウナラニです。

永住したい都市
 このベイエリアがとても心地良いのですが、日本に戻る日も遠くないと思っています。

5年後の自分に期待すること
 目標をきちんと整理して、それに向かって行動している自分がいること。

最も印象に残っている映画
 盲導犬の映画『クイール』。本を最初に読み涙、映画をみてまた涙、でした。

最近観た映画
 カンヌ国際映画祭特別審査員賞を受賞した、『そして父になる』。

最近読んだ本
 『ゼロから3年で100億円企業を作った男のガムシャラ仕事術』(森平茂生)。クロックス日本法人を立ち上げた日本にいる兄が出した本をプレゼントとしてもらいました。

自分を動物にたとえると?なぜ?
 ネコかな? 群れといるよりも孤独に家で過ごしソファでのんびりしている感じが似てる。

座右の銘は?
 「笑顔が一番」。

(BaySpo 2014/08/29号 掲載)

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