文化芸能編  Vol.45
下田 美知子さん
草月流生け花教師、デモンストレーター。日本で草月流生け花を学び、家元教室、造形家教室に参加。渡米後、陶芸をWest Valley College、De Anza Collegeで勉強。Achievement in Ceramicsの資格を取得、教師としてCalifornia Legislature AssemblyよりRecognition by the California Legislature Assemblyを授与される。2011年、草月流生け花の理事を取得。同年より、デモンストレーターの活動を開始。東京の草月流生け花展に参加。毎年、de Young MuseumでのBouquets to Art、Filoli Gardenの母の日のフラワーショウに参加するなど活動をしている。www.michikoshimoda.com
自然の造形美に魅了されて
生け花の世界に深く入っていくきっかけとなったのが、花材と花器の組み合わせの妙だったという、草月流生け花の教師・デモンストレーターの下田美知子さん。サンフランシスコ・ベイエリアを中心に活動する下田さんに、仕事、暮らしぶりなどについて伺いました。
下田 美知子さん

(Michiko Shimoda)BaySpo 1359号(2014/12/12)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ
 1989年に亡くなりました主人の転勤で、娘2人といっしょにまいりました。

ベイエリアの印象
 夜空が大きく、きれいなのにびっくりしました。今でも、時々夜空の星座をながめています。お月様もきれいですね。

自分の専門分野について
 草月流生け花の教師、デモンストレーターをしております。教え方も教わり方も違いますし、それぞれが異なる国からいらしていますので、工夫しています。お稽古日の前の日までに材料、色をメールで生徒さんたちに伝えていることが、花器を選ぶのに役だっているようです。ありがたい事に、お庭から枝や葉ものなど提供してくださる方がいらっしゃいまして大変助かってます。最も楽しいことは、上手になっていく人たちを見ることです。生け花のデモンストレーションをするときは、デモの内容を組み立てていく過程を大切にしております。来年には、冬の花をテーマに、生け花の紹介をかねたデモンストレーションを頼まれています。

その道に進むことになったきっかけ
 薬関係の大手会社に就職いたしまして、生け花を役員室、会議室、応接室などに生けるのも仕事の1つでした。花屋さんが沢山の材料を運んできて、花器と組み合わせていくのが楽しくて、習ったばかりだったのに率先して順番制など気にせず毎週生けていました。結婚後はもっと真剣になり、子供が幼稚園に入ってからは、美術館や銀座のギャラリーに通い、子供が学校から下校する時刻が遅くなってからは、本部の家元教室、造形教室に通いました。主人が亡くなってからは、少しずつ生け花を生ける仕事をはじめ、それから教え始めました。

英語で仕事をするということ
 大変です。英語で教える計画は全くありませんでしたから、準備もしていませんでした。そんな私を助けてくれたのは、日本で学んだことだと思います。草月生け花の知識が手助けとなってくれました。最初の頃は、それでもだめなら、ジェスチャーを使っていました。例えば、ファッションモデルのようにポーズをとって、横を向いたり、あごを上げたり下げたりして、花の向きなどを説明しました。苦肉の策ですね。

英語で失敗したエピソード
 山ほどあります。特に発音。恥ずかしくてお披露目できません。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 もちろん同じ仕事をしています。もしそうだったら、今不可能な事が全部可能になるでしょうね。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 職業ではないのですが、おかあさんと答えていました。私の母は何でもできる人でしたから。子供たちにママは本当におばあちゃんの子だといわれています。

いまの仕事に就いていなかったら
 何をしていたでしょうか。考えられません。

現在、住んでいる家
 古い小さな家です。ベッドルームの部屋を変えたり、収納部屋を作ったりしたら、快適に住めるようになりまして、引っ越しなど考えていません。

休日の過ごし方
 片付け、掃除、食料品買い出しがメインで、時間があったら映画を見たり、本を読んだりします。最近の推理小説が大好きで、読み始めたら止まりません。最後が気になるんです。犯人ではなく終わり方が。

よく利用する日本食レストラン
 サンフランシスコにある「えいじ」。おすすめは、おぼろ豆腐です。

1億円当たったとして、その使い道
 半分は娘2人にあげて、残りでスペインかシシリー島を旅行したいです。

日本に戻る頻度
 最近は1年に1回です。草月生け花展が年に1度ありますので出展のために行きます。

最近日本に戻って驚いたこと
 去年の話ですが、大きなスーツケースを持っていたら、階段の上まで運んでくださいましたし、駅員さんが特別なルートを使わせてくださいました。もう一つは電車を降りるときに手伝ってくださって、今までそんな事1度も無かったのでびっくり。うれしかったです。

日本に持って行くお土産
 秋に帰るので、Navakovich Orchards–Saratogaのドライアプリコットのチョコレートのついた物を。とても美味しいですよ。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 絶対に買ってくるのは、本、CD、甘いものです。後は何か目について好きだと思ったら買ってきます。時々荷物に入りきれなくなって、日本に住んでいる姉に1年間預かってもらったり、迷惑をかけています。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 駐車場の不足でしょうか。生け花のイベントがあるのはサンフランシスコが多いので大変です。

お勧めの観光地
 アリゾナ州北東部にある、Petrified National Parkとグランドキャニオンです。雄大な自然界が長い間に作り出す地形、大木が、ピンクや紫色の宝石のようになった化石達、すごいです。今までに3度も行っています。

永住したい都市
 お庭にたくさん植物を植えて、花材として使えるのを楽しみにしていますのでアメリカです。植物はまだまだ増えそうです。

5年後の自分に期待すること
 その花材を使って、大作を作りたいです。

最も印象に残っている本
 宮部みゆきの『レベル7』。久しぶりに推理小説を読んだら面白くて、推理小説が好きになりました。
 
最近読んだ本
 図書館で日本語版、『Steve Jobs』を見つけたので読んでみました。

最も印象に残っている映画
 日本の映画、湊かなえ原作の『告白』です。本を読んだ後、映画の事を知りました。教員をしている女性が、幼い娘を自分の生徒で未成年者に殺される、母親の静かな復讐のストーリーです。映画のほうが迫力あって怖いです。

最近観た映画
 『Edge of Tomorrow』です。
 
自分を動物にたとえると?なぜ?
 犬型と猫型に分けたら猫でしょうか。手間がかからず、ほえない。

座右の銘は?
 一期一会です。その時その時を大切にしたいです。

(BaySpo 2014/12/12号 掲載)

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