一般編  Vol.205
福家 隆さん
1991年生まれ。東京都出身。カンザス州にあるベネディクティン・カレッジを卒業後ベイエリアに移住。もともとはライターで日本のテックメディアに記事寄稿。現在は動画メディア#LYVEの共同創業者として活躍中。
自分の視点を活かした仕事
中西部の大学を卒業後の2014年、ベイエリアに移住。インターンを経て、スタートアップ製品を動画で紹介するメディア#LYVE(ハッシュライブ)を共同創業した福家さんに、ベイエリアでの暮らしぶりを伺いました。
福家 隆さん

(Takashi Fuke)BaySpo 1436号(2016/06/03)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 渡米してきたのが2012年になります。そしてベイエリアへ移住してきたのが2014年6月。きっかけは、大学卒業直前にPM(プロジェクト・マネージャー)ポジションでのインターンの機会を得たことです。大学が中西部だったので、インターンに受かっていなかったらベイエリアにはいませんでしたね。

ベイエリアの印象
 アメリカの大学には編入という形で3年いたんですが、とても田舎の大学だったので、第一印象はとにかくダイバーシティー(人種や文化の多様性)が強いという印象でした。また、田舎と違って普通に日本食材を買えたり、電車があったりしたので(笑)、食の面や交通の面でも東京に似ていて住みやすい印象を受けました。その印象は今でも持っています。

自分の専門分野について
 現在は#LYVE(ハッシュライブ)という動画メディアをやらせていただいております。具体的には北米スタートアップの製品動画を短い動画にしてわかりやすくアジアの人に向けて発信しています。

その道に進むことになったきっかけ
 2015年の秋ごろからライターの仕事をやり始めて、そこからシリコンバレーの起業家への取材を経験したり、少しずつメディアで経験を積み始めたのがきっかけです。今は動画をやっていますが、元々は書き手としてメディアをやっていたのが最初ですね。

英語で仕事をするということ
 英語はあくまでツールだと思って仕事をしてます。もちろん英語力があれば可能性は大きく広がりますが、「英語を毎日絶対話しながら仕事をしなくてはいけない!」という意識はそれほどないですね。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 ネイティブであるのであれば、考え方や見方も日本人としての自分とは違っていると思うので、その視点で映像やデザイン分野に挑戦しているかもしれません。とにかく自分の視点を活かした仕事をしているかなと思います。

現在、住んでいる家
 サンフランシスコ郊外の家の1室を借りています。学生との共同生活なので、One Roomは与えられているのですが、結構安くて住みやすいです。

乗っている車
 乗っていません。

好きな場所
 美術館です。Wifiも切って、誰にも邪魔されずに昔の人が描いた作品を鑑賞していると、数十年、数百年前の人たちの考えや、物の見方に触れられるので学びにもなりますし、落ち着きます。いろんな形、大きさのキャンバスに描かれたたくさんの世界と対話してる感じが好きです。

好きなアーティスト
 画家であればエドワード・ホッパー。光と影をとても印象的に描き切る具象絵画の画家。特に彼の作品の「ナイトホークス」が大好きです。ニューヨークの一角のバーを描いているのですが、当時の世界観や、作品の中にいろいろな謎が含まれており、惹きつけられます。シカゴ美術館に展示されていますが、ずっと見続けられます。

1億円当たったとして、その使い道
 いまやっている事業に注ぎ込み、もっと事業拡大させ、より大きな規模でメディアとして価値ある情報をたくさんの人に届けたいです。

よく利用する日本食レストラン
 「Ginto」でしょうか。いまお世話になっているコワーキングスペースのDigital Garageさんの近くなので。

日本に戻る頻度
 半年に1度くらいでしょうか。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 洋服です!

最近日本に戻って驚いたこと
 いままでは日本に戻ったら、「母国に帰ってきて落ち着くなぁー」と感じていたんですが、直近で帰国した際は何も感じませんでした。この何も感じなかった自分に驚いてます(笑)。恐らく、海外にいる期間が長すぎて、どこに行ったとしても、「世界のどこかの国の、どこかの街にいる」という感覚に常になってしまっているのだと思います。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 値段が高いので、もっとリーズナブルにヘルシーな日本食を食べたいなと思うとき。

最も印象に残っている本
 太宰治作『グッド・バイ』です。太宰が入水自殺前に書いた最後の短編小説で、未完の小説です。内容自体が浮気をしまくっていたある男が、一人ひとり女のもとを訪れて、「グッドバイ」と囁きながらお別れを言いつつ歴訪していくという物語です。物語を読んでいると、太宰が世の中を滑稽に見ていたのかもしれないと感じる瞬間が多々あり、どこか現代にも通じている感覚に浸れるので好きです。また戦後、昭和の世界観がよく描かれている点も好きです。

最近読んだ本
 『いちばんやさしいグロースハックの教本』(金山 裕樹/梶谷 健人著)を読みました。ビジネス書ですが、すごく体系的に書かれており、すぐに活かせる点がとてもよかったです。

最も印象に残っている映画
 『ソロモンの偽証』。生徒たちが自分たちで学校裁判を開いて、学校内で発生した同級生の死の謎に関して、どんなことが起きて、なぜ事件が発生したのかを紐解いていきます。生徒たち目線で死の謎を解いていくのがユニークであり、学校裁判なので最終的には誰も罰せられないのですが、それでも鬼気迫る形で裁判が進んでいくのがとても印象的です。邦画ですがしっかりと出来ていて、とても面白いです。

最近観た映画
 『The Big Short』。リーマンショックで利益を得た人たち、そしてその裏には貧困層が持っている住宅ローン債権があり、バブルの元凶になっている様子を描いています。ウォール街の人たちが金融商品を買い漁る中、バブルがあっという間に崩壊して貧困層から富裕層までの全てが財を失っていく仕組みをわかりやすく紹介していて、わかりやすいですし、どこかユーモアもあっておもしろかったです。

(BaySpo 2016/06/03号 掲載)

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