文化芸能編  Vol.50
藤田 善子さん
岡山県倉敷市出身。4歳から日本でバレエを学び舞台に立つ。19歳で単身渡米してからはBallet Pacifica, Pacific Ballet Theatre, Santa Clara Balletなどでクラシックからモダンバレエまで幅広く踊り、バレエダンサーを引退してからはベイエリアでミュージカルダンサーとして活躍中。アメリカ人の主人、21歳の娘、4歳の息子、2匹の犬と猫とサンノゼに暮す。
5年後も、現役で舞台に立って踊っていたい
高校卒業後にアメリカへバレエ留学し、その後アメリカでバレエダンサー、バレエ講師として活躍する中で、21歳と4歳の2人の子どもの母でもある藤田さん。17年ぶりの子育てを楽しむ一方で、今年の4月に4年ぶりに舞台復帰を果たした彼女にベイエリアでの生活について伺いました。
藤田 善子さん

(Fujita Yoshiko)BaySpo 1595号(2019/06/21)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 高校を卒業してすぐ19歳の時に単身渡米して来ました。小さな頃からずっと踊っていたバレエを勉強するためだったのですが、実は中学生の頃からアメリカへ留学したくて、日本を出たい一心で両親にお願いしての留学でした。ネットもない時代でしたし今思うとよく娘を知り合いもいない国に出してくれたなととても感謝しています。数カ月間オハイオの英語学校へ、そこから南カリフォルニアの短大へトランスファー。ベイエリアにはバレエのサマーインテンシブで夏に初めて訪れ、その時に緑が多く色々なカルチャーが溶け合う街に心惹かれ、その後すぐ引っ越して来ました。ベイエリア出身の主人と友人を通して知り合い学生結婚し、彼の通う大学のあったアーバインで8年暮らして、2000年に彼の仕事でベイエリアへ戻って来ました。アーバインで産まれた娘が今21歳、そして17歳年の離れた息子が今4歳になり、再び1からの子育てを楽しんでいます。

自分の専門分野について
 アメリカに来てからはバレエダンサーそしてバレエ講師をしていました。バレエダンサーを引退した頃、友人にミュージカル『王様と私』のオーディションに一緒に行こうと誘われ、作品の中にあるバレエの主役イライザにキャスティングされてからは、ずっとベイエリア全域でミュージカルダンサーをしています。出演した作品はやはりダンスがメインの作品が多く、コーラスライン、キャッツ、ウエストサイド物語、ジョセフ、スパマロットなど。『王様と私』は3つのプロダクションに出演し、その中の1つは歌手のデビー・ブーンがアンナ役でした。息子を産んでからは休職していたのですが、この春『フラワードラムソング』で4年ぶりに舞台復帰を果たしました。これからは少しずつ現役に戻れたらと思っています。それと同時にバレエを引退した頃に大学に戻り、インテリアデザインの資格を取り、7年間アンソロポロジーのディスプレイの仕事もして来ました。それも息子の学校への送り迎えが大変になり去年退職したばかりです。

英語で仕事をするということ
 ミュージカルはセリフが英語なので、中々セリフのある役がもらえないのが現実です。コーラスラインでは「コニー」という中国系アメリカ人の役をしたのですが、監督から日本語訛りをなくしてくれと言われて本当に困りました。主人に特訓してもらってセリフの練習をして、オープニングには監督から良く頑張ったと大きなハグを貰ったことは今でも忘れられません。今回の『フラワードラムソング』では久しぶりにセリフをいただいたのですが、今度は中国訛りのある英語で話すように言われ、ダイレクトコーチと一緒に特訓もしました。

英語で失敗したエピソード
 多分たくさんあるのですがあまり細かいことは気にしないようにしているので覚えていません。でも長年アメリカで生活していても「え? そんな言葉があるの?」と言うことは未だにあります。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 絵本作家になりたいと思っていました。その夢はまだ諦めていなくていつか実現できたらと思っています。

乗っている車
 最近ミニクーパー・クラブマンに乗り始めオシャレなデザインや小回りの良さが気に入っているのですが、我が家の大型犬2匹を乗せるには小さくて犬とのお出かけが少し減ってしまいました。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 Night Owlなので夜は遅くまで起きていて、朝は息子か犬に6時には起こされます。

休日の過ごし方
 サンフランシスコが大好きで、公園へ行ったりカフェでお茶したりファーマーズマーケットに行ったりしています。美術館にアートを観に行ったり、友人の出演するミュージカルを観に行ったりもします。

好きな場所
 スタンフォード大学内にある美術館や、そこに隣接するCool Cafeでのんびり週末を過ごすのが好きです。大きな芝生のエリアがあって息子が走り回ったりできるので重宝しています。
最もお気に入りのレストラン
 サンフランシスコやパロアルトにもあるPizzeria Delfinaが好きです。野菜や果物など旬のものを使うのでメニューもいつも違って素材を活かしたシンプルな味付けがお気に入りです。

よく利用する日本食レストラン
 焼き鳥屋さん「がく」のお蕎麦が美味しくて良く行きます。

日本に戻る頻度
 2、3年に1度ぐらいの割合で帰っています。

最近日本に戻って驚いたこと
 実家が岡山なのですが、おしゃれなお店が増え大きなモールや映画館がたくさんできていることに帰る度にびっくりします。私が学生の頃は遊べる場所が本当に限られていました。

日本に持って行くお土産
 BAGGUのエコバッグはデザインが可愛くて持って帰ると喜ばれます。Heath Ceramicsのマグカップ、TCHOのチョコレート、Four barrel coffeeのコーヒー豆、Tea Collectionの子供服などベイエリアならではの物を買って帰ります。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 子供の本や玩具。主人の趣味が料理なので食材を買って帰って来ます。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 美味しい日本のパンが食べられないこと。クロワッサンやバゲットの美味しいアメリカのベーカリーはあるのですが、日本の美味しいパンが食べたくなることがあってそれはとても不便に感じます。

日本に郷愁を感じるとき
 一番仲が良く何でも話せる友人が日本にいるので、彼女とゆっくり時間が過ごせたらと、帰りたいなと良く思います。

お勧めの観光地
 カリストガにあるコテージ式のホテルSolageはお気に入りで特別な日に泊まりに行きます。温泉プールや温泉ジャグジーもあって、部屋に自転車も付いていてダウンタウンまでそれに乗って遊びに行くこともできます。ナパも近くでワイナリーも楽しめるお気に入りの場所です。

永住したい都市
 年をとって車を運転できなくなったらサンフランシスコやニューヨークの様な大きな街に住みたいなあと思います。

5年後の自分に期待すること
 現役で舞台に立って踊っていること。歌にも少し力を入れたいと思っています。

最も印象に残っている本
 19歳の時留学先の友人が貸してくれた『ノルウエーの森』を読んでから村上春樹のファンで、一番心に残る作品は『海辺のカフカ』。こちらの世界とあちらの世界にとても心惹かれます。

最も印象に残っている映画
 母が大好きで私も小さい頃から良く観ていた『ウエストサイド物語』。ジェローム・ロビンスの踊りが痺れるほどカッコよくて大好きです。

最近観た映画
 『Wonder』という映画を観てとても感動しました。生まれた時からの病気で見た目が普通とは違う男の子が5年生で初めて学校へ通い始め、彼や家族の葛藤や周りの先生や子供達の反応を描いた映画。肌の色や性別や障害、色々な違いがあっても差別をすることなく、その人の中にある人間性をちゃんと見ることができる子供にきちんと育てるのは親の仕事だと改めて思いました。

座右の銘は?
 「Unhappiness may be a blessing in disguise」色んな経験上、一見不幸せに見えることは大体最後には幸せなことに繋がっているなと思います。

(BaySpo 2019/06/21号 掲載)

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