「お子さんの問題で相談してくるお父さんお母さんが、実はカウンセリングを受けていただいたほうが改善するケースが結構多いんです」という山下さん。子供のために頑張るあまり、自分を責めてしまう傾向に陥りやすいとか。「飛行機の酸素マスクの説明ビデオで、自分のマスクをしてからお子さんのマスクをつけるように言われますよね、心のメンテナンスも同じことです」。山下さんは、「カウンセリングのようなサポートシステムに頼ることは決して弱いことではないんです。カウンセリングを活用する=強さ、と思ってほしいです」と説明します。
実はセラピストの山下さんご本人も、積極的にカウンセリングを受けてセルフメンテナンスしているそうです。「私もごく普通に、問題を抱えたり悩んだりする人間ですよ(笑)」。カウンセリングはクライアントが自ら問題を解決出来るように促して手助けするプロセスなので、セラピストはニュートラルで冷静な自分を保ちながら、客観的にアドバイスすることに努めます。そして時にはクライアントの感情に寄り添って、一緒に泣いたり、怒ったりしながら解決の糸口を探ります。だから、セラピスト自身の悩みを出来る限りクリアにし、心を良い状態に保つ日々のメンテナンスが不可欠なのです。
そんな山下さんがご自身でも活用したり、カウンセリングの際にお勧めしているテクニックをご紹介いただきました。
@ コミュニケーションは「具体的に」
付き合いが長ければ長いほど思い込みが増えてすれ違ってしまいがち。ほめる時にも○○をしてくれてありがとう、などと面倒でも具体的に伝えると、本当に伝えたかったことが伝わります。
A夜寝る前に一日の「出来た事」にフォーカスして自分自身に達成感を持たせてあげる
「私もそうなのですが、人は80%の出来たことよりも、20%の出来なかったことを考えてしまい『出来ていない』というストレスを抱えてしまいがちなんです」と山下さん。この2つは今日からでもすぐ実践できそうですね。
「セラピストの私を信頼してお話してくださるのですから、私もそれに応えたいと思っています。回を重ねるごとに笑顔になって、もうカウンセリングに来なくても大丈夫と卒業していってくださるのが嬉しい」という山下さん。「こんなことを相談してもいいんですか?」「カウンセリングが必要かわからない」などといったことでも、Emailや電話で気軽に問い合わせてほしいそうで、「お電話で少しお話を聞かせて頂くと、カウンセリングをお勧めした方がいいのかどうか、判断する目安になります。病気や虫歯もそうですが、早く治療すれば、早く楽になれる可能性が高くなります」といいます。
心のメンテナンスとしてカウンセリングを状況に応じて活用して、より快適な毎日を送りたいものです。