ミッシマー先生のところに来院される方でも特に多いのが、肩がまわらない、上がらないというケースだそうです。「四十肩」や「五十肩」というのは、昔から一般的にそのころの年齢になると肩のトラブルの症状を訴える人が多いことから名前がついたものといわれ、原因は人それぞれです。
人間の身体は年齢が上がるにつれて、体内の水分が減り、筋肉の柔軟性や弾力性が徐々に失われていきます。それをまったく考えにいれないで、昔からずっと同じ強度や頻度で運動していて、気がつかないうちに筋肉を痛めてしまうのも原因の一つで、例えば、「スポーツジムで筋トレを連日やる」「何年か間を空けて以前やっていたスポーツを再開するときに、以前と同じペースでやろうとする」といったケースや、ゴルフをよくする人で、片方の肩が下がっている場合も要注意だと先生は言います。
「使いすぎ」以外にも、何をしたか分からないけど痛くなったとか、特に普段と変わったことはしていないのに次第に肩が上がらなくなった、という人も結構いるそうです。
「肩がまわらなくなってしまったら、まずは治るまでエクササイズやスポーツをストップしてください」。ミッシマー先生はそれぞれの原因と症状にあわせて、固くなった筋肉をほぐすマッサージとストレッチ、それに加えて超音波治療が効果的といいます。超音波治療機は皮膚の表面から4〜5センチの深部まで熱が届き、体(または上腕)の奥深くにある凝り固まった筋肉をほぐす効果があるそうで、肩関節のまわりや肩甲骨から首にかけてある大小さまざまな筋肉や靭帯の中で、どこが固くなっているのかを先生は的確に判断して超音波をあてます。
「固くなった筋肉がほぐれて痛みが取れ、可動域が戻ったら、ストレングスニング(強化)をやります」と先生。ストレッチとストレングスニングで、筋肉の弾力を取り戻すことで再発も防げるのですが、「でも徐々にやらないとダメです。時間をかけてゆっくりと元のレベルにまで戻すことが大切」と言います。そのほか肩の高さをあわせる体操や、姿勢改善の指導も受けられ、また筋肉をほぐして痛みを緩和するVibraCussorという機器や、血液の循環を良くして傷んだ筋繊維を修復するステンレス製ツールでの治療も行っています。
ある患者さんの体験談です。「長年悩まされている肩こりと1年程前に発生した右肩(右腕上腕部)の突き刺さるような痛みで来院。レントゲンで症状を分析、慢性的な肩こりが右肩の痛みにも大きく影響をおよぼしていることを分かりやすく説明してもらいました。治療は超音波で筋肉を徐々にほぐしながら、自宅で簡単にできるストレッチを教えていただきました。数週間、超音波治療を受診すると、右肩の痛みも徐々に薄れ、日常生活でも全く気にならなくなりました。右肩の治療後、首の歪みを矯正して頂いたお陰で、長年悩んできた肩こりからも開放されました」。