子どもの歯列矯正では永久歯が生え揃う前にはじめることで、その後の矯正がスムーズになる場合が多いとされています。歯科矯正専門医のアレクサンドラ・チャン先生は、「できれば6歳ぐらいで最初のチェックを受けることをお勧めします」と言います。歯並びや噛み合わせで気になることがあれば、かかりつけの歯科からの紹介がなくても来院して大丈夫。チャン先生のクリニックでは、最初の予約のときから、相談、治療を通して日本語でサポートしてくれる日本人スタッフがいるので安心。チャン先生自身も、年に1度は行くというほど日本と日本の食べ物が好きという大の日本ファンです。
また、同クリニックでは3Dレントゲンなども完備されているので、同じ場所で治療の全過程を完了できるので便利。「お子さんの歯並びがきれいになっていくのを見たご両親が矯正をはじめるケースも多いですよ」と先生がいうように、大人の矯正患者さんも多いそうです。矯正にかかる時間は平均して2年程度なので、アメリカ在住中に歯並びをきれいにしたい、という方も多いのかもしれません。
歯列矯正にはメタルブラケット、セラミックブラケット、リンガルブラケット(舌側矯正)といったワイヤーを使う方法と、インビザラインなどマウスピース矯正と呼ばれる方法がありますが、最近は、チャン先生のクリニックに通うティーンたちにもインビザラインが人気だそうです。
インビザラインとは、透明なマウスピース型装置(アライナー)を使う方法で、開始から終了までの歯の動きを3Dシュミレーションして作られた一連のアライナーを約2週間ごとに交換しますが、通院は2カ月に1度程度でもよく、忙しい大人やティーンにもぴったり。違和感が少ない、食生活を変える必要がない、自分で簡単に取り外しができる、歯磨きやフロスもこれまでのように出来る、といった利便性でも多くの人に支持されています。通常は通院してチェックを受けながらアライナーを交換していきますが、もしも途中で帰国や引っ越しが決まってしまった場合は、クリニックで保管しているインビザラインのアライナー全セットをお渡しして、次の矯正歯科への紹介状を書くことも出来るそうです。
ワイヤーを使った矯正装置のなかでも「セラミックブラケット」は、装置自体の色が透明、または乳白色をしているので、歯の色に馴染んで目立たず、ワイヤーブラケットと同じく完璧な歯並びと噛み合わせに近づけることができるため、女性はとくにセラミックブラケットを選ぶケースが多いそうです。場合によっては歯の裏側に付ける「リンガルブラケット」と組み合わせるなど、審美性を失わずコストを抑える方法もあるそうです。チャン先生は治療方法を決める時、患者さんには必ず複数の選択肢から選んでもらっているといいます。