吉田先生は北海道大学3年生の時にアメリカの教授の講演を聞いたのがきっかけで、60年前の1956年に渡米。そのままアメリカ、イギリスの有名大学でリサーチの経験を積まれ、1976年にカリフォルニアで開業。今年で40周年を迎えます。ベイスポでは幅広いテーマの医療コラムを連載して下さっており、先生のお部屋にはそのための資料の山が。今回はそんな先生ならではの、脳のお話から赤ちゃんのトイレの話まで幅広く伺いました。
「バイリンガルの人は脳卒中で倒れた場合の回復がモノリンガルの人と比べて早い」という報告があるそうです。また何年か前までは、2歳以上は脳の神経は増えないと考えられていましたが、現在では細胞が増えなくてもつなぎ方が増えるということがわかってきており、脳の可塑性を高めるためにも何歳であっても脳は刺激すればするほど良いということがわかってきました。
バイリンガルの子供は脳が混乱して成長に悪影響を及ぼすのではないかと以前は考えられていました。今は、2つの言語に触れることで脳が刺激され、発達が助けられるとされ、特に2歳までに刺激を受けると良いこともわかってきたそうです。両親の母国語がそれぞれ違うので、子供の脳が混乱するのではないか、1つの言語に統一したほうが良いのではと、心配されている方もいらっしゃるかと思いますが、心配せず2つの言語で脳に刺激を与えてあげてほしいとのことです。
また、両親共に日本人であっても、アメリカで生まれた赤ちゃんには日本語だけでなく、脳に刺激を与えるために英語にも触れさせてあげると良いそう。2つの言語に触れることで混乱しているように見えることがあるかもしれませんが、子供には2つの言語を聞き分け、習得する能力があると考えられています。2歳前から2つの言語に触れるのが理想的ですが、それ以降でも脳の発育にはプラスになるといわれています。
特に母乳で育っている新生児は、1日に5〜6回ウンチをすることが多く、市販のおしりふきを使うとおしりがただれがちです。ぬるま湯で洗って乾かしてあげると、おしりのただれを防ぐことができるので、面倒だと思ってもトライしてみてほしいとのことです。また、便秘が疑われて、ウンチが出るように刺激したい場合は、赤ちゃんを仰向けに寝かせておなかの上に足をあげ、ワセリンをたっぷり塗った綿棒で肛門を刺激すると効果があるかもしれません。ウンチのペースは人それぞれで、3〜4日に1回くらいの赤ちゃんもいます。それでもウンチが出たときに固くなければ問題ないそうです。
また、トイレトレーニングは2歳ぐらいから始めるのが良いそうで、まずは朝必ずトイレに行くという習慣をつけ、できたら褒めたり、ご褒美をあげるのも良いでしょう。吉田先生も、「できなくてものんびりと構え、気長に始めるのがいいでしょう」とアドバイスしています。