日本ベイクリニックはクリニック開院から今年で12年、家庭医の紀平昌保院長と小児科の矢野文子先生に加え、昨年からもう一人、小児科の柏雪子先生が加わりました。これにより日本人医師は3人となり、紀平先生によると、「日本人の医師が3人いるクリニックは全米でもめずらしい」とのこと。また、スタッフも全員日本語ができます。
「アメリカの内科(Internal Medicine)は基本的に18歳以上の成人を診るのに対して、私の専門である家庭医学(Family Practice)では、産まれたばかりの赤ちゃんからお年寄りまで幅広く診ます。分野も小児科、婦人科を含めて多岐にわたります。お産もいくつも経験していますよ」という紀平先生の日本での専門は整形外科。旧日本整形外科学会認定医としての経験を含め、日本で培った技術も診療に大きく役立っています。レントゲン画像の分析、軽度の骨折や、小手術と呼ばれる簡単な外科的処置もクリニック内で行っています。
クリニック内には診察室、レントゲン室、画像をデータ化するスキャナーの置かれた部屋、超音波(エコー)室、聴力検査室など充実した医療設備が整えられています。「胃のレントゲンや超音波の検査もここでできます」と紀平先生。これらの専門機器については、診療スケジュールの合間を縫って、何度も日本に帰国して習得したそうで、日本の労働安全衛生法に基づく健康診断・人間ドックのほとんどの検査をここで受けることができます。
健康診断以外にも、ハイスクールなど現地校の課外活動やスポーツのクラブチームに参加するためのスポーツフィジカルイグザムや、日本の高校・大学の帰国子女枠の申請用などの帰国時に必要な健康診断も受けられます。「学校や会社によって日本語の規定の書式がありますが、それにも対応しています」。
日本からの旅行者がアメリカ滞在中に病気やけがで訪れることもよくあるそうで、海外旅行者保険だけでなく日本の社会保険にも対応(必要書類の発行など)しています。長期滞在者でも日本で旅行者保険に加入して来られるケースもあるそうです。土曜日の午前中にも診察時間があるのも便利、平日の通院が難しい人も予約をとることができます。
また、今月に入ってサンタクララ大学で髄膜炎菌性髄膜炎の学生が出たことで、注目が集まった髄膜炎菌性髄膜炎のワクチンについて、紀平先生も「この病気はアメリカ人も多くが恐れている病気で、大学入学前にぜひ打ったほうがいい」といいます。米疾病対策センター(CDC)は、11歳から12歳と、16歳から18歳の2回接種することを勧めているそうです。
このように日本ベイクリニックでは、家庭医の紀平先生、小児科の矢野先生と柏先生とが連携し、日々幅広い年齢層の患者さんの様々な症状の診療にあたっています。