「東洋医学は病名をなおすのではなく、症状をなおすといわれています」という浅尾先生。先生のところには風邪、アレルギー、腰や肩の痛みなどに悩む方から、がんと診断され、化学治療や抗がん剤治療を受けている人や、脳梗塞を患った人も来られるとか。「私が得意とするのは、東洋医学で『邪気』と呼ばれるマイナスの気を抜くこと」。気が体の中をよどみなく流れ、循環している状態を阻害するマイナスの気(邪気)を抜き出し、鍼や灸、漢方、マッサージなどで良い気を補給することで、身体を強くして自然治癒力を高めるというのが、東洋医学の考え方です。
東洋医学には手足の冷え、不妊の悩み、産後の肥立ちの遅れ、更年期障害の症状、うつ、アトピー性皮膚炎、赤ちゃんの夜泣きなどさまざまな症状に効く治療法があるとされています。
不妊治療でアメリカの西洋医学の医師の多くが鍼を勧めており、Asao Acupunctureでもたくさんの女性やご夫婦が治療を受けています。不妊治療は身体的だけでなく精神的にも大きな負担がかかるものですが、浅尾先生は施術に加えカウンセリングを取り入れた心のケアも行っています。「不妊に悩んでいる人はやはりみなさん孤独を感じておられます。一緒に頑張っているご主人にも女性のことでわからないこともあります。そんなときここに来てお話しをして気が楽になることは、治療と同じくらい大切なのかもしれません」。
男性の不妊にも鍼が有効で、仕事やストレスでくたくたに疲れた身体のメンテナンスをすることで、目標とする状態に近づけるとか。受診された方には、妊娠前に鍼や漢方により全身を整えておいたことで、出産、産後の疲労や育児による睡眠不足も乗り越えられたと喜ばれています。
風邪のひき始めなどでのどが痛いときは、手の指の生え際にあるツボを鍼でちょんと突いて血を数滴出す方法が即効性があるそう。また、肩こりには足の甲、四十肩、五十肩には足の脛のツボが効果的で、すぐに「あれ? 肩が軽くなった」という人や、ぎっくり腰で車椅子に乗って来院した人が、手の甲に鍼を打つだけで、帰りは立って車椅子を押して帰ったケースもあるとか。このように先生が治療する症状は実にさまざま。一人ひとりとじっくり対話してそれぞれに有効な治療方法を見つけます。
また、このたびの移転により診療室が2部屋に増えたことで、ゆったりとした個室で施術ができるようになったので、「以前からリクエストがあった美顔鍼も始めます」と浅尾先生。待合室と外のロビーエリアも広く、同じ建物内は小児科などの医療機関が入っている静かな環境です。