2010年にロス郊外のトーランス市でオープンした、くがや・こころのクリニックでは、日本語・英語のカルチャーを含めたサービスを提供、薬の処方だけの診療ではなく、カウンセリング(認知行動療法・マインドフルネス療法・トラウマ療法)、うつに対する最新のrTMS治療、トラウマに用いるEMDR、ライフコーチング、食事療法、エクササイズなど、一人ひとりにあった方法を患者の立場に立って勧める、総合的なメンタルケアを提供しています。
最新技術と先端医療の導入と同じくらい大切なのが、「思いやりとケアの心」だと話す、久賀谷先生。先生は、高校生のときに地元の歯科医師の講演で聞いた、「『鬼手仏心』という言葉に医師への道へと導かれました。この言葉は今も座右の銘となっています」と言います。「医者は苦しむ人々を思う仏の心(思いやり)と、鬼のように冷徹なメスさばきといった技術が同時に必要だという意味」と説明。「患者様へ心を尽くすことを第一目的として、クリニックスタッフ全員が皆様をケアできるように努めています」。
来院する人の症状は、眠れない、気持ちが落ち込む、不安・パニック、職場のストレス、気分に波がある、イライラする、集中できない、禁煙できないなどといった悩みから、気分・不安・思考障害、注意欠陥障害(ADHD)などさまざま。年齢も6歳や8歳のお子様から、80歳以上の方までの幅広い年代の男女がいらっしゃいます。
rTMS(またはTMS、repetitive Transcranial Magnetic Stimulation反復経頭蓋磁気刺激法)は、FDAにより認可されたうつに対する最新の治療法です。磁気を用いて脳のうつにかかわる部分を活性化する方法で、薬のような副作用は少なく、安全性と優れた効果が特徴とされています。薬物療法で効果がみられなかった方、薬に抵抗がある方、高齢者にも向いているそうで、1回で違いを感じる方、数回で薬の量が減る方もいるそうです。現在アメリカでは標準的な治療方法とされ保険が使用できる場合が多いそうですが、日本ではまだ認可されておらず、中には日本から来て短期滞在で快方に向かったケースもあるとか。
公共の場所に出るのが不安、うつがひどくて外に出られない、急に予定が変わったなどの理由で来院が困難な場合や、遠方に住んでいる方でも利用できるのが「遠隔医療サービス」です。ソフトウェアのダウンロードは不要で、モニターを通して通常の診療と同じ感覚で受診できるもので、パソコンさえあればどこでも簡単に利用できます。遠隔医療サービスの良い点は、セキュリティが高く完全にプライバシーが保護されること、人の目が気になる人も利用しやすいこと、自室でリラックスしてセッションが受けられることなどです。もちろん薬の処方も受けることができるので、どんな心の症状で悩んでいる方もまずはご相談ください。