日本歯科大学を卒業後、東京の開業医に勤めた後、ご家族と共に渡米した設楽稚世先生。カリフォルニア歯科医師免許を習得して15年が経過した今年、7年間拠点としていたプレザントンヒルを離れピノールに開業しました。先導する立場にありながら、「素晴らしいスタッフに恵まれたからこそだと思います。自分はこのクリニックの一部に過ぎません」と話します。患者さんの喜ぶ顔が何よりも嬉しく、また励みになると話す先生は、人との出会いとコミュニケーションを大切に、役に立ちたいという一心でスタッフと一丸となり治療にあたります。
クリニックはバークレーから北へ約11マイル。Dr. Douglas Gordonとシェアする先生のオフィスの隣は、歯内治療医(Endodontist)、その先は口腔外科医(Oral Surgeon)。全ての分野を一人の歯科医が診療する日本とは異なり、アメリカでは分野ごとに専門医が診療するグループプラクティスという治療形態が一般的です。一般歯科医である先生も根幹治療、抜歯など歯科治療全般を行いますが、患者さんの負担が大きいと判断した場合は、迷わず信頼を寄せる専門医に任せます。時には神経治療が必要な患者さんをアシスタントさんがそのまま隣へお連れしたり、インプラントの被せ物について口腔外科の先生が直接相談に来ることもあるそうで、仲の良い先生同士が密に連絡を取り合い、治療計画を立てて一人の患者さんの治療にあたる様子が容易に想像できます。また他の口腔外科医との繋がりも強く、講習会や勉強会に積極的に参加して情報と知識の交換を常に図っているそうです。
日本では保険対象外のPFMクラウン(ポーセレン・フューズド・メタルクラウン=金属の冠に陶器が焼き付けてあるタイプ)ですが、米国では歯科保険が適用されます。通常、歯科からのデータをもとに義歯が作られ、歯科へ配送されますが、先生が依頼する歯科技工所は審美に対する意識も非常に高く、調整が必要な際には実歯の色調を目で確認するために技工士が駆けつけてくれるそうです。
「シクシク痛むって英語でどう伝えるのでしょう?」そんな質問を患者さんから受けたことがあるという先生。特に身体のことについては母国語で相談できるだけで安心できるものですよね。ベイスポ読者の皆様には、治療やセカンドオピニオンが必要な方、気になるから相談だけ、といった方でも、保険のネットワーク内外を問わず、電話またはクリニックでのコンサルテーションを行ってくださるそうです。まず電話でベイスポを見たとお伝えください。基本は月・木・金がクリニックの勤務日ですが、当面は毎日おられるそうです。