家族揃ってインフルエンザ予防

　毎年、この時期に柴田先生はインフルエンザの予防接種を受けるように推奨しています。ワクチンは接種してから効果が出るまで2週間程かかるので、シーズンが本格的に始まる前に予防接種をしておけば、インフルエンザになっても比較的軽い症状ですむというのがその理由です。特に接種がすすめられるのは喘息の持病がある方や、プリスクールに通う2、3歳の子供たち。ワクチンの効き目は半年近く継続するので、早めに予防接種を受けることで、シーズンを通してワクチンの効果が持続するそうです。柴田先生のクリニックでは大人も子供と一緒に接種することも可能で、家族揃って予防接種を受けることができます。

「ワクチン強制接種法」について

　カリフォルニア州では定められたワクチンを接種していない子供は学校に入学・編入できない、「ワクチン強制接種法」という州法が定められています。主な伝染病に対するワクチンの接種を義務付けたものですが、私立・公立に関わらず、学校に通う子供全員にワクチンを受けることが義務付けられています。ただし、子供に重い病気がある場合などワクチンを打てない医療上の理由や、ワクチンに対するアレルギーがある場合など健康上の理由でワクチンの接種を免除することは引き続き認められていますが、これまでは認められていた宗教上の理由や親の個人的な信条を理由にした免除の申請が出来なくなりました。そのため、「ワクチンの接種を遅らせていた方や、まだ受けていない方は早めにワクチンを接種して頂ければと思います」と柴田先生。

風邪と良く似ている感染症にも注意!

　この時期は「溶連菌（ようれんきん）感染症」も発症のピークを迎えるので注意が必要です。この感染症は学校など集団の場での感染が多く、風邪と症状が似ています。主に喉から感染して、喉の痛み、発熱から体に発疹が出たり嘔吐などの症状が出るので、周囲で溶連菌が流行っている疑いがある場合は早めの受診が必要となります。最近では喉についた細菌の検査ですぐに「溶連菌」かどうか分かります。この感染症を防ぐ予防接種はありませんが、「抗生物質を飲めば2、3日のうちに熱は下がり、症状は4、5日のうちに消えます。きちんと治療しないとリウマチ熱などの合併症を引き起こすので注意が必要です」と、柴田先生も注意を呼びかけるとともに早めの受診を勧めています。

必要になる「シラミ」のチェック

　新学期には「シラミ」の発生もよく見られます。シラミは後頭部や耳の後ろに発生しやすいので、この辺りを重点的にチェックして判断すると良いそうです。フケと間違いやすいですが、シラミの卵は丸く毛を取り巻くように付着しており、毛根から数センチの所に多く見られます。子供の集まる場所以外でも帽子やクシ、枕や洋服などから感染することもあります。激しい痒みが一番の症状で、小児科や皮膚科で受診するのが確実ですが、薬局などでも手に入るシャンプーなどでご家庭で対応することも出来ます。