高橋先生は、日本から来たばかりの子どもに歯のレントゲン未経験者が多いのが気になっています。歯間や目に見えない歯の内部のトラブルを細かく知ることができるのがレントゲン写真。せっかく丁寧に自宅でケアしていても肉眼で見えづらい歯と歯の間の虫歯の発見が遅れた結果、突然ぽっかり大きな穴があき、神経の治療(抜随)が必要になることもあります。「歯のレントゲンの被爆量はごくわずかなので小さな子でも心配ありませんよ」と先生。むしろ虫歯を放っておくリスクの方が高く、大がかりな治療になってしまうと親子ともに心身の負担が大きくなります。
子どもの歯は3歳前後で生え揃いますが、乳歯が虫歯になると永久歯に影響がでるのは周知の事実。歯間の虫歯を防ぐにはフロスの使用が一番です。「奥歯2本の間の歯、および前歯2本の間はとくに汚れが溜まりやすい場所」と先生。大切な子どもの歯を守るためにも早めにフロスを習慣づけましょう。
高橋先生によると、実は歯ぎしりは歯を失う大きな理由のひとつ。「上下の歯が削れてすり減っていたり、犬歯が平たくなっていたり、前歯の先端が細かくギザギザになっている人は歯ぎしりをしている可能性が高いです」。就寝中の歯ぎしりはほとんど無意識なので、先生が検診で指摘すると「一緒に寝ている家族にも指摘されたことがない」と驚く人も多いと言います。歯ぎしりはかなり強い咬合力がかかるためインプラントがダメになる原因にもなります。有効策は歯を守るナイトガードを就寝時に装着すること。通常の歯科検診で歯ぎしりのチェックもしているそうなので、指摘された場合は早めの対応が肝要です。
残念ながら失歯した時はインプラントがベストの選択ですが、複数本となるとかなり高額になるのが難点。他に「複数の歯を補填する必要がある場合に有効な選択肢になります」と教えていただいたのがコスメティックデンチャーです。これはメタルフリーデンチャーとも呼ばれる部分義歯(入れ歯)です。ブリッジを装着するには前後の健康な歯を多く削る必要があり、日本で保険適用となる部分入れ歯はクラスプ(金属フック)を隣の歯に引っ掛けるため、周りへの負担が大きく見た目も悪いことが欠点ですが、一方、コスメティックデンチャーを固定するパーツは歯茎に近いピンク色なので審美性が高く、大きな口をあけて笑っても入れ歯だと気づかれにくいのがメリット。構造上も負担が分散されるので周りの健康な歯を守ることができます。また、外れやすく痛みが伴うものと思われていた総入れ歯も、インプラントを骨に埋入して土台を作り、安定させるインプラントデンチャーにすると、ガタつかずにしっかり噛めるようになるなど、入れ歯事情も大きく進化しています。お口の状態に不安や不満を感じたら、日本の口腔事情を知り、歯への美意識が高いアメリカの治療を提供する高橋先生に相談してみてください。