賀川漢方クリニックは10月からサニーベールに移転。新しいクリニックは広い駐車場があるオフィススイートの1階にあるため、車椅子の方や階段の昇降がつらい方、エレベータが嫌いな方でも、ますます通いやすくなりました。日中はマウンテンビューのNASAで微生物の宇宙利用を研究する科学者として働いている賀川先生は、水曜日の夕方と週末を中心に予約を受け付けています。先生がカリフォルニア州鍼灸師、米国東洋医学会認定東洋医学師の資格を取り、開業して今年で7年目。「当時、主人がよく家で疲れたと言っていて、どこか悪いところがあると思って受けた人間ドックでも異常なし。それが鍼と漢方ですっかり良くなって・・・、すごいなと思ったことが勉強をはじめたきっかけです」と話します。
クリニックを訪れる人は、多忙で疲労がたまっているビジネスマン、腰痛に悩むシニア世代、生理痛・生理不順・不妊に悩む女性、スポーツでのケガを早く治したいというティーン、お腹が張るといった消化器系の症状がある人など年齢も性別もさまざま。最近では、ある日突然、顔面神経麻痺(ベル麻痺)が起きたという患者さんが来られました。原因はいまだに不明とされている特発性顔面神経麻痺は、片方の目が閉じられない、口がうまく動かせないなどの症状が起こります。この方の場合は鍼治療が良く効き、すぐに症状が改善したとか。ほかにも更年期によるのぼせ、不眠などの症状で悩んでいる女性は、鍼治療を受けた日と翌日はぐっすり眠れると言って通っておられます。

どうしても鍼が怖いという人や、鍼を刺さない治療を希望する場合は、シールについた先が尖っていない鍼でツボを刺激する置き鍼がお勧め。丸いシールの中央に0・3ミリ長の鍼がついている「パイオネックス・ゼロ」は、肩こりや寝違えなどに、はがれるまで貼ったままでよく、先生も日常的に使っているのだそう。小さいお子さんにも使うことができ、鍼をうってすぐは調子がよくなっても、家に帰ると痛い部分を使ってしまうため元に戻りやすいという人や、職業柄同じ動作をせざるを得ないため、ケガや炎症がなかなか治まらないといった人にもおすすめです。「痛めた部分を繰り返し使うことで、また痛めてしまうのを防ぐものです」と先生。「よくなってきたと思って(置き鍼を)はがすとまた痛くなるという人もいます」というので試してみる価値がありそう。クリニックでは自宅で自分でも貼れるように10枚2ドルで購入することが可能です。

風邪のひきはじめに「あれ?喉がおかしいな」「寒気がする」と思ったらすぐに漢方薬を飲めば、うまくいけば次の日には良くなっているといいます。風邪のひきはじめはお医者様に行っても、してもらえることはほとんどありません。これからの季節、風邪が長引いたりひどくなる前に対処できれば、これほど良いことはありませんね。