日本はインフルエンザが猛威を奮い、冬真っ只中ですが、2月に入りベイエリアは一足早く春の訪れを感じる季節になりました。そして同時にやって来るのが「花粉症」。今までは無縁だった人が、「突然発症した!」という事もよく耳にします。その仕組みは、「免疫力の低下やストレスの蓄積などが、突然花粉症を引き起こす」のだと浅尾先生は言います。例えば「鼻が詰まって息が出来ない」患者さんに対して、「鼻通りを良くするツボへの鍼灸」により、嘘のように鼻が通り辛い状況を改善することが可能になるようです。これは即効性の高い治療法になりますが、長い期間をかけて鍼灸や漢方で、体質改善につとめることで、翌年の花粉症が緩和される治療法もあるとのこと。

春の訪れとともに心(気分)は明るく、身体は軽やかになり、外に飛び出したい心境にかられるものですね。しかし、意外にもそんな時に「ぎっくり腰」が引き起こされることが多いようなのです。まるで季節と逆行しているような印象を受けるのですが、「芽吹きの春」と言われる自然現象のように、人間の身体も冬の間に蓄積された冷えや疲れが、芽吹きと共に排出されるというプロセス。そんな今の季節には、ぎっくり腰になってしまった患者さんが這うようにクリニックに訪れますが、施術後には歩いて帰れるまでに回復するとか。また再び発症してしまった場合に備えた応急処置も教えてくれるので、患者さんからの信頼が絶大なのもうなずけます。

人間には「自己治癒力」というかけがえのない力がありますが、ストレス、冷え、疲れなどの理由からその力が弱まると、免疫力が低下しあらゆる悪い症状が現れてしまいます。東洋医学は、免疫力を高めるべく「気(エネルギー)を開き活性化させることで、血液と体液の流れを促し、自己治癒力が高まり、健康的な身体が作られる」といった、体質改善に繋がるロングタームの治療に適しています。また、痛みを治すために受けた西洋医学的な治療(投薬、ステロイド注射など)にあまり効果がみられない、手術後のリハビリでフィジカルセラピーに通っていても痛みが緩和されない、というような状況で来院される患者さんが、カウンセリングと多様な治療法(施術)の両方からのアプローチで、症状回復の効果を得ています。
「西洋医学・東洋医学どちらがいいのか?」の選択ではなく、「両方のいいところを取り入れることで、痛みや不調を改善できる最も効果の高い治療になる」、また「鍼灸に怖い、痛いというイメージを持たれてる方には、磁気治療、かっさや温熱療法など痛くない治療法があるので安心してくださいね」 と先生は語ります。この春お勧めしたいのはカッピングセラピーという治療法。一般的に施術は皮膚から体内に向かって行われますが、これは体内から体外に向けて刺激を与えることができます。水泳の金メダリスト、マイケルフェルプス選手が、「酷使された筋肉の痛みの軽減に役立つ」と利用していることでご存知の人も多いのでは? 約2000年の歴史がある鍼灸でも日進月歩で進化しているとのこと、浅尾先生の模索は日々続いているのです。