うさとの服はロックミシンを使わず、端を綺麗に中に織り込むように仕上げてあります。またボタンは貝や木などの天然素材だけを使用、ジッパーは使わないと決めているそうです。この丁寧な作りがアトピーや敏感肌の方だけでなく多くの人に着心地が良いと支持される所以。そこに流行を追わない普遍的なデザインが加わり、長年愛用できる一着となっています。洋服は女性用が中心ですが男性用や男女兼用の他、子供服、作務衣、楽衣と呼ばれる部屋着などがあります。加えて着こなしも、とても楽しめます。例えば、上下逆さまに着たり、前後ろに着たり、トップスにもボトムにもどちらでもOKだったり。そのフォルムをわざと崩して、自分の体系やその日の気分で遊べてしまう服です。

うさとの布はタイ・チェンマイを拠点に製作されています。服に使用される布は、タイ東北部、北タイ、ラオスの村々の女性たちによって織られています。布の素材は綿(cotton)、大麻(hemp)、絹(silk)の3種類でそのほとんどが手紡ぎ、天然染め、手織り。絹はお蚕さんを育てることからはじまります。桑の葉を作る場所も近くで農薬を使っていない畑を探します。手織りは織り手に布のデザインをまかせているそう。布を織ることはアートであり、布に創作する喜びが織り込まれていきます。その後布はチェンマイの「USAATO SIAM」に集められ縫製へ。縫製は自社工場ではなく地域や個人のグループにて行われます。これらの課程は生産者が値を決めるフェアトレードによって取引されており、働く人々は皆やりがいを持ってそれぞれの家族のために熱心に働いているそうです。うさとの服は途上国の人々の自立支援に繋がるよう敢えてこのような過程を経て作られています。そこには「服に関わる全ての人がハッピーでいて欲しい」「作る人の愛情が込もった服は着る人を内面から輝かせる」というさとう氏の想いが込められています。

チェンマイで製作された服は、ほぼ全てが「USAATO JAPAN」に送られ日本国内で販売されています。販売方法は京都の常設のお店「うさと京都店」の他に、展示販売会を中心に展開。デザイナーのさとう氏に共感するたくさんの方たちのサポートを得ながら「想い」ごと手渡しする展示会は、実際に手に取ってみれる貴重な機会。この春はサンフランシスコ、サンノゼ、サクラメントを含む西海岸7都市で開催されます。さとう氏「森の命が宿った綿や麻、そこに作る人たちの感性と天然自然のエッセンスが入って、エネルギーの高い服に仕上がりました。ぜひたくさんの方に手にとってもらいたい」とのことです。