頭痛、耳鳴り、肩こり、手のしびれなどの症状の原因の一つに、ストレートネックが挙げられます。本来人間にとって健康な背骨の形は、正面から見た場合はほぼ真っすぐで、横から見た場合は、首・背中・腰にそれぞれのカーブがある状態です。しかし携帯電話やノートPCを使うときに毎日下を向いた姿勢でいる時間が長いと、本来は重い頭を支えるため少し後ろに反っているはずのカーブに逆の力を加え続けることになります。それは頭を支える靭帯や筋肉が固くなり、骨の位置も戻りにくくなって、大切な首のカーブが失われるといいます。自覚症状がなくても、常に肩が凝っている、首の付け根が固い、頭痛がひどいという人は注意する必要があります。首のカーブがなくなっていることで、首回りが固くなり、肩こりや頭痛、さらには四十肩や五十肩にもなりやすくなるためです。

CBP(Chiropractic BioPhysics)治療法は理想の背骨の数値に近づくよう治療を行います。患者さんの背骨の状態を姿勢とレントゲンから細かく分析し、数学と物理学の応用から算出された患者さん自身の理想の背骨を数値化、データに基づいて骨の形をより正常に近くなるように整えます。そこで行われるのがミラーイメージ法と呼ばれる、歪んでいる方向と逆方向に牽引し理想の形に戻す手法。矯正であるにもかかわらず、むしろ気持ちがいいと言って施術中に寝てしまう患者さんもいるとか。こうしたゆがんだ背骨の根本的な治療によってストレートネックは劇的に改善するそうです。さらに通院に加えて自宅でホームトラクションやエクササイズを続けることで治療効果をより高め、将来的な予防にもなるのだとか。「スマートフォンを使うとき、下を向いて使うことは首の正しいカーブがなくなる原因になります」と説明するミッシマー先生。体のゆがみを引き起こす座り方や脚の組み方のクセなどもチェックして、日常生活を見直せるようにアドバイスもしています。効果的なヨガ、ストレッチ、筋トレなどの指導も行うそうです。「お家では小さいお子さんにも、スマホやタブレットは目の高さまで上げて使うように注意してあげてください」とのこと。また成長期に気を付けるのはもちろん、大人でストレートネックを放置していると加齢と共に椎間板が薄くなり、腕や指に痺れが生じることもあるそう。また加齢と共に椎骨の変形が極度に進行するとCBP治療もできなくなる可能性も。そうなる前にぜひカーブを付ける治療を受けて欲しいそうです。

ミッシマー先生がこの仕事に携わるようになったのは、極度の腰痛と交通事故によるむち打ち症の治療でCBP治療を行うカイロクリニックに通ったのがきっかけだとか。半信半疑ながら治療を始めてしばらく通院したところ、重度の症状だったにもかかわらず後遺症も残らなかったそう。その経験から「カイロプラクターになって、痛みで苦しんでいる人を助けたい」と決意したそうです。大切な自身の体、少しでも不調を感じたら、背骨のチェックや首のカーブのメンテナンスも検討してみましょう。