日本の獣医大学を卒業後、UC DavisとUCSFで学び、アメリカの獣医師免許を取得した日本人獣医の中村ゆか先生。先日、別のクリニックから移ってきたばかりですが、以前同院でテクニシャンとして勤務していたためか、スタッフとも打ち解けた様子。同院は「ドクターG」の愛称で親しまれるアーノルド・ガトライザー医師による個人経営のため、経営上の規則に縛られず多様な患者さん家族の希望を柔軟に受ける方針とのこと。またアットホームな雰囲気でその親しみやすさからも、何十年も通うリピーターや、サンノゼから車を飛ばして通う方々も後を絶ちません。週末も営業し、しかも月曜から木曜までの平日は朝7時半から夜8時までと長い受付時間です。その理由は、遠方からの患者さん家族も渋滞を避けた時間に診療を受けられるようにする配慮だそう。その他、グルーミングやペットホテル、ペット保険の相談や、ペットの海外引っ越しの手続きも対応しているため、色々なサービスが1カ所で可能なのも嬉しいポイントです。

最近イーストベイエリアでは犬のインフルエンザが流行っているため、同院では12月からインフルエンザ予防のワクチンを始めました。伝染力が強いため、接種をすすめているそうです。
その他に多く寄せられる、ノミやアレルギーなどでの皮膚のかゆみの症状には薬や低アレルギー食を処方するなどそれぞれの症状や原因、犬種などに合わせて対応しています。虫歯やデンタルクリーニングの患者さんも多く、家での歯磨き方法も指導しているそうです。
また、意外なところで多いのは肥満。実は、家族がペットの肥満に気づかないことが多いため、注意が必要だそうです。そうしたウエイトマネージメントも行っています。

中村先生が渡米したきっかけは、日本で存在しなかった獣医の神経科専門医の資格を取得するため。日本で開業する予定でしたが、結婚を機にアメリカに残り、出産・子育てをしながらテクニシャンとして働きつつ獣医師免許を取得したそうです。
動物好きの両親のもとで育った中村先生は、大好きな動物に近づくためにバイオロジーの勉強をしていました。友達のふとしたひとことから獣医という選択肢を思いついた瞬間「それしかない。毎日犬と遊べる!」と思ったとのこと。
そんな努力家で愛情深い中村先生が常に心がけていることは、患者さんとその家族との信頼関係を構築すること。「ベストな処方を行っても、説明不足だと不信感が生まれてしまう。信頼関係があってこそ治療が上手くいきます」と中村先生。患者さんを心配する家族が安心できるよう、忙しくても電話やEメールでの対応でフォローアップなど、コミュニケーションを忘れないようにしているそうです。