日本ベイクリニックは2004年に開院以来、ベイエリアに住む家族のかかりつけ医として多くの人々の健康をサポートしています。病院に行こうと考えたときに「症状について英語で説明する自信がない」「お医者さんの話す専門用語が理解できない」など、不安を感じる人も少なくないのでは。同クリニックには、家庭医の紀平昌保院長、小児科の矢野文子先生、小児科の柏雪子先生の3人の日本人医師をはじめ、日本人スタッフが多く在籍し、最初の予約受付から診療まで全て日本語でサポートをしてくれるので、コミュニケーションでの不自由がないばかりか、診療全般にわたる日頃の不安や疑問も一挙に解消できます。「北はマリンカウンティから南はサンタクルーズまで、遠方から通っている患者さんも少なくありません」と話す紀平先生の言葉に納得させられます。毎週土曜日も午前中に診察を行っているので、平日は仕事や子育てで忙しい人も受診可能です。

日本ではまだ馴染みのない家庭医のシステム。家庭医は、疾患や異常の有無を見極めることを専門としています。紀平先生は、「薬を処方すれば大丈夫なのか、本当に専門医の処置が必要なのかを判断する役割を担っています」と説明します。日本では自己判断で病院の診療科へ直接行く習慣があるため、「この症状は何科に行けばいいの?」と迷うこともたびたび。その点アメリカはシンプルで、身体の不調や異常をお医者さんに診てもらいたい場合に、まず家庭医にかかります。家庭医は症状を診て、考えられる疾患の中から経験と知識に基づいて原因を見極め、患者さんにとって最も望ましい医療を施します。そのため、家庭医や小児科医が処置する基本治療の範囲は幅広く、中耳炎や湿疹、結膜炎なども対応します。家庭医が診て専門性の強い病態と判断した場合には、その患者さんにとって有効な専門医を紹介し、できるだけスムーズに的確な診療を提供します。
紀平先生の専門である家庭医学は、産まれたばかりの赤ちゃんからお年寄りまで幅広く、分野も小児科、婦人科を含めて多岐にわたります。また、紀平先生は旧日本整形外科学会認定医としての経験を含め、日本で培った技術と実績を活かしてレントゲン画像の分析や軽度の骨折、小手術と呼ばれる簡単な外科的処置もクリニック内で行っています。その場で対処できる問題に対して迅速に対応してくれるので、とても心強い存在です。

同クリニックでは受付で日本語が使えることもあり、電話で一生懸命症状を伝える人も少なくないそうですが、実際に医師が患者さんを診ると全く症状が違うということもしばしば。医師が患者さんの気持ちをより汲み取りやすくするためには、患者さんが「より正確に現状を話してくれる」ということが重要になってくるといいます。限られた時間内の診察をより精度の高いものにするためには、診察時にどのように話せばいいかを尋ねると、「その日に相談したいポイントを最初に絞って話して頂けるといいでしょう」と紀平先生。アメリカの受診システムは予約制なので、日本のように突然行って順番を待つことはできません。気になることや不安があれば、まずは電話でご予約を。