人間の身体は自然のサイクルに沿うため、一年を通して最も気分が上がる春は、体調不良に陥る罠と隣り合わせの時期なのだそう。「気分が上がる春に体調を崩す」と聞くと少し意外にも思えますが、動物が冬眠するように、冬は動きが活発でなかった身体や内臓が、春の訪れとともに一気に高揚することで、気が頭の方に偏って溜まってしまうことが原因。体内の血流がアンバランスな状態になり、不調をきたしてしまうのです。その影響で、特に負荷がかかる肝臓の機能が弱まり、筋肉が疲れるため、「ギックリ腰は春に発症することが一番多い」と、春先のメンテナンスの大切さを教えてくれました。
気功の効果には、ギックリ腰のような突発的な痛みへ速攻で届くものや、肩こり、腰痛など慢性的な痛みを時間をかけて改善するもののほか、体質改善やうつ、ストレス、不妊治療といった症状の緩和にも効果があるようです。先生が手をあてる気功施術によって気を流し、血流を良くして、血液と脈のバランスを整えることで、免疫力が上がり、「自己治癒力」を高めます。先生が考える健康とは「病気にならないこと」ではなく、「回復する力があること」。「健康にとらわれすぎる現象」を現代病と考え、そのマインドがストレスを引き起こし、内臓へプレッシャーをかける負のスパイラルを指摘します。大切な脳の休息のためには、「ぼーっとしてください、頑張らないでください」とにっこり。

20年ほど前に気功療法士となり、9年前に開業。ほどなくしてベイエリア各地で開催を始めた気功体操クラスは、「動きながら行う呼吸法のトレーニング」によって、気功の施術を受けるのと同じような効果を得られ、自己治癒力を高めることが出来るのだそう。クラスが始まった7、8年前からずっと通い続ける生徒さんが多く、その頃から変わらずはつらつとしているご高齢の方々の様子からも「気功の効果」が見てとれます。月曜はパロアルト仏教会、水曜はサンノゼ友愛会、金曜はサンノゼ仏教会、第3木曜はアルバニーシニアセンター、第1、第3土曜はエメリービルJーseiで開催されています。全クラス予約不要のドロップイン(当日参加)方式で、所要時間は約1時間半、参加費は1回5〜10ドル程度とリーズナブルです。クラスの内容は、季節や気候、集まった生徒さんの様子など、その時々の状況に最も適した体操をアレンジし指導してくれるので、最大限の効果が得られます。気功体操は号令に合わせ、リードする先生を見ながら、誰にでも簡単に、各自のペースで参加できるので安心。クラスを終えた後の生徒さんは顔を上気させて、「気分がリフレッシュして、パワーが充電された」と満足そうでした。

内藤先生はサンノゼのクリニックだけでなく、サンフランシスコ、バークレー、コンコード、プレザントンなどベイエリア広範囲に出張治療を行っているので、身体が不自由で動けない方、産前産後で外出が困難な方から好評と絶大なる信頼を得ています。中には抗がん剤治療による副作用の緩和ケアとして、定期的に出張治療を続けている患者さんもいるそうです。