サンフランシスコ日本街にある「Chato」は、茶葉と茶道具を取り扱うお茶の専門店。2016年11月にオープンした同店は、お茶の香りを楽しむ「茶香炉」や陶器製茶器の販売のほか、お茶の知識を学ぶクラスなども定期的に開催しています。
賞味期限が切れた茶葉や変色してしまった茶葉を「もう飲めないから」と捨ててしまっていませんか? 「Chato」では、最後の一葉まで香りでお茶を楽しめる「茶香炉」を数多く取り揃えています。茶香炉とは、お茶の葉に熱を加えて香りを楽しむ香炉のことで、香炉の中にロウソクを立て、その熱で上皿の茶葉を暖めて香りを出す道具のこと。部屋に漂うお茶の香りで気分や心がリフレッシュするほか、リラクゼーション効果もあるためアロマ感覚で使用することが出来ます。
茶香炉はローソクなどの熱を使うため、「Chato」では熱に強い素焼きの香炉を取り揃えています。素焼きは素朴な雰囲気を醸し出し、部屋を暗くすることでロウソクの炎が幻想的な空間を作り出し心を和ませます。また、お茶にはカテキンによる消臭効果もあると言われており、お茶を加熱する事によって部屋の嫌な匂いを消し、芳香で爽やかな空間を作る効果もあるそうです。茶香炉にお勧めの茶葉は緑茶で、ほうじ茶などは常温の状態で既に香りが強いため、緑茶の方がより高いリラックス効果や消臭作用が得られるそうです。軽くティースプーン1杯分の茶葉で、とても香ばしい茶葉の香りが部屋に広がります。

「Chato」では、それぞれの季節にあったお茶を飲めるようシーズナルな茶器も取り揃えています。今の時期には耐熱ガラス会社「ハリオ」が製造する水出し茶ポットがお勧めだそうです。水だけで抽出することが出来る水出し茶ポットは、茶葉を直接ポットに入れ、水を目盛りまでいれて冷蔵庫で数時間冷やすだけで完成。そのまま注いで冷たいお茶を楽しむことが出来ます。「Chato」のお勧め茶葉は玄米茶とほうじ茶で、温かいお茶だと少し苦みを感じるこれらの茶葉も、冷えた水だと苦みが抑えられ、甘みと旨味のあるまろやかな感じになります。また、茶葉が下に沈んだ状態で2〜3日経過しても同じ味を保つことができる優れものです。
美味しいお茶を淹れるのに欠かせない急須には多くの種類がありますが、「Chato」では全て手造りの急須を取り揃えています。山口県の「萩焼」や岐阜県の「美濃焼」、愛知県の「常滑焼」や石川県の「九谷焼」などを取り寄せており、最近では絞り出しタイプの急須なども人気があるそうです。また、「Chato」では、お茶の名産地として名高い静岡県や京都府宇治市からだけでなく、福岡県の「八女茶」や鹿児島県の手摘み「かごしま茶」のほか、抹茶や5種類以上の玉露も取り扱っています。そしてお客様に試飲を勧め、好みの銘柄を見つける手伝いもしてくれます。

「Chato」では1カ月に一度、日本茶大使の和気礼子さんが来店し、お茶の入れ方や点て方のデモンストレーションを行なっています。そのほかにも、生徒数十人でお茶や抹茶を美味しくいただく方法を学ぶクラスを同店で開催しており、お茶とお茶請けの和菓子、お茶のサンプル込みで1人25ドルで参加できます。リピーターも多く、人気のあるお茶クラスは直ぐに定員になってしまうので、是非メールで問い合わせをしてみて下さい。