東京の獣医大学を卒業後、UC Davisで動物の神経学のフェローとして渡米した中村先生は、ご結婚を期にその後もベイエリアに留まることとなり、お子さんの成長に伴い現役復帰を目指しスタッフとして働く傍ら勉強を重ね、獣医となられたそうです。Dr. Kangによって開業されたUni Pet Clinicは、一年前にサンノゼクリニックをオープンしたのを期に、同院では中村先生を中心にDr. Cohenと常時10名以上のスタッフと共にチームワーク良く、毎日平均60件もの診察にあたっています。赤ちゃんや小さな子供と同じように、言葉を話せないペットの不調を感じる不安に丁寧に対応してくれるだけでなく、微妙なニュアンスや表現を日本語でコミュニケーションが取れて安心できると、渡米直後の日本人だけでなくアメリカに長く住んでいる患者さんも多いのだそう。
中村先生は年に一度の定期検診をすすめており、中でもデンタルクリーニングを習慣づけることでキレイな歯を保つことは平均15%寿命が延びると言われてるだけでなく、虫歯、歯周病からの菌による心臓病などの病気を未然に防ぐことに繋がると、その重要性について説明してくれました。デンタルクリーニングは250ドル〜(7歳以上は300ドル〜)と一般的なクリニックより安い価格で設定されています。

人間と同じように最近ではペットにもよくみられるアレルギーは、食べ物によるアレルギー、目の充血や皮膚のかゆみに悩まされる皮膚病など長期にわたる治療が必要なケースが多いのだとか。アレルギーの薬は新しいものがたくさん出ているので、症状に適した薬を探し出したり、食物アレルギーの場合には低アレルギー食を処方するなど対応をしています。
中村先生にペット保険について伺ったところ「ペットの保険は生後まもない掛け金の安い頃に入ることをアドバイスしています。保険に入っていれば骨折や病気はもちろんのこと、デンタルクリーニングなど定期検診でかかる費用も対象になる保険もあるので、単に掛け金を心配するまえに一度相談して欲しい。」と語ってくれました。また同院では可能な限りウォークイン(月〜土曜 9時〜11時、2時〜4時)に対応しているので患者さんにとって心強く、質問や予約の相談はEメールにて日本語でも受け付けています。

日本から連れて来たペットのように既に抗体検査をしている場合は、渡米後も定期的な狂犬病の予防接種を続けていれば6カ月で帰国の手続きが完了されると言われていますが、一度も抗体検査を受けたことのないペットの日本帰国となると、手続きが完了するまでに8カ月程度の長い時間がかかってしまうのだそう。つまり駐在員でなくても「万が一の日本帰国に備えて抗体検査をしておく必要があるかもしれない!」という知識を持っておく必要があると感じました。狂犬病のない日本への引越しは特に厳しく、帰国手続きには抗体検査以外にもUSDA(米国農務省)オフィスで裏書に承認印が必要になるなど、ペットの引越しは行き先(国)によって必要な手続きが違うのでそのサポートも受けられます。