吉田先生は北大の博士課程を修了後1956年に交換留学生として渡米したのをきっかけに、アメリカとイギリスの大学でリサーチの仕事をしていましたが、「臨床をやりたい!」と一念発起し、43歳の時にスタンフォード大学に移り3年の研修医を経て1976年にベイエリアで開業しました。ベイスポコラム「医療のあれこれ」で馴染み深い先生というだけでなく、「海外で子育て」という不安を抱えるママ達にとって40年以上にわたり救世主のように親しまれている先生です。「泣いてクリニックに来た子供が診察後に笑顔になって帰っていく姿を見送る瞬間が至福で、その笑顔からパワーをもらっています。」とにっこりと語られた先生から受ける温かいパッションが印象的でした。

「セロトニン、オキシトシンという言葉を聞いたことがありますか?」という話題からスタートした今回の取材。健康や若返りにも効果的に働く物質であるセロトニンとオキシトシンは、ストレスによって心身が疲弊した時や感情が乱れて自己コントロールが難しくなった時などに、相互に影響しあって心身の健康を取り戻してくれる自己治癒力の要であり「幸せホルモン」と呼ばれているそうです。この幸せホルモン(セロトニン、オキシトシン)は脳内で作られる物質で、材料となるトリプトファンはタンパク質・アミノ酸など食物から腸内で生成される物質なので、基礎正しい食生活を送ることは多くのトリプトファンを取り入れセロトニンの生成を促すことに繋がるのだそう。トリプトファンは、日中はセロトニンに変化して感情のコントロールに機能し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化して不眠症に効果があるだけでなく、質の良い睡眠を得ることが出来る大切な物質であることを説明してくれました。
健全な心身を作るためには、@(軽い)運動 A日光浴 B食事 C睡眠の4カ条を掲げる吉田先生に、日常のルーティンを伺ったところ「早起きをし庭に出て、朝の光を浴びながらラジオ体操のような簡単な運動から沢山の酸素を取り入れ、朝日を拝んで瞑想をして何も考えない時間を作る。」のだそう。また、奥様の作られる和洋折衷な家庭料理を食べ、週末は日の出と共に友人とソーシャルを兼ねたゴルフを30年以上も続けている吉田先生の日常は4カ条そのもの! そのハツラツとしたお姿に言葉を超えた説得力がありました。

小さなお子さんの発熱は本当に心配なものですね。発熱には水分を十分に与え、うなじや脇の下を冷やすというのが効果的に作用しますが、投薬の場合は、一般的な解熱剤としてアセトアミノフェンを主成分とするTylenol(4時間おき)、イブプロフェンを主成分とするAdvil/Mortrin(6〜8時間おき)があります。小さい頃は年齢は同じでも体重の個人差が大きいので、 解熱剤の飲ませ方は外箱に書かれている年齢よりも「体重を基準」に量を判断する必要があるようです。また高熱がなかなか下がらないときは、アセトアミノフェンとイブプロフェンを3〜4時間ごとに交互に与えることで解熱の効果を得ることができるのだそう。