世界的なパンデミックとなったCOVID-19はペットを飼う家庭にも心配を及ぼしていますが、ペットがCOVID-19に感染したという報告は世界中でごくわずか。とはいえ、万が一家族の中で陽性者が出てしまった場合は、ペットも人間と同じように隔離した感染者から遠ざけ、心配な症状が出た場合は直ぐに相談して欲しいと中村先生。COVID-19よるShelter in Place(以下、SiP)では外出が制限され、同居家族以外との接触が規制されるせいでペットを飼う人が増加傾向にあるのだそう。ペットを飼うことで精神的な癒やしになったり、ペットを散歩させることによる運動効果、一人暮らしの人にとっての心の拠り所になるなど、多くの効果がペットよりもたらされます。また不可欠となる「ペットの躾」、SiPのおかげで留守番させる時間が短くトレーニングに手をかけてあげられるメリットに対して、ソーシャルや刺激が必要になる生後8週間〜16週間の頃によく利用されるパピークラスが休止していたり、プレイデイトなどの環境を作りにくいデメリットがあります。単にかわいがるだけでなく家庭内で掃除機やコーヒーグラインダーなどの雑音(騒音)を聞かせたり、色々な匂いを嗅がせたり、安心したドッグフレンドを見つけるなどの工夫が必要になるのだそう。またパピークラスやボーディングスクールの再開までは、個別に対応をしてもらえるドッグトレーナーを利用するのも効果的です。

初夏のカリフォルニアには「フォックステイル」という雑草が広範囲に生えていて、緑色をした若い頃を過ぎて枯れてくると、穂先に少し触れただけで房ごとに外れてバラ撒かれてしまうのだそう。その房の先端は針(棘)のようにシャープで、衣類や犬の毛などにくっつきやすい特徴があり、棘のように刺さると皮膚の中で傘のように広がってしまうため、外側から抜くのが困難という厄介な構造をしています。発見が遅れるとどんどん中に入ってしまうので手術が必要になってしまうことも。散歩から帰った時は毛の中に潜り込んでいないか確認したり、くしゃみをする、耳を触る、手を舐めるなどのサインが過剰にでた場合はフォックステイルなどトラブルを疑って早めに診せて欲しいと中村先生。

@ペットの保険
骨折や病気のみをカバーするものから、デンタルクリーニングや定期検診も対象になる保険があったりと様々。「既往歴がなく生後まもない掛け金の安い頃に保険に入ることをアドバイスしていて、単に掛け金を心配する前に一度相談して欲しい。」と語ってくれました。
A帰国や海外引越し
COVID-19が引き起こす何が起こるかわからない状況は、突然の帰国を余儀なくされるケースにも対応できるよう、一度も抗体検査を受けたことのないペットは抗体検査を受けておきたいものです。抗体検査を受けていないペットの引越しには8カ月程度の長い時間がかかる上に、 日本への引越しはUSDA(米国農務省)発行の承認印が必要となるにもかかわらず、2020年度はオフィスクローズが決定していて郵送のみの対応になってしまうので、時間に余裕を持った準備が鍵となります。