もし乳がんになったら慌てないための知識と心構えを
 BCネットワーク
2005年にニューヨークの日本人女性によって設立された米国認定非営利団体「BCネットワーク」は、乳がんの早期発見啓発や最新治療情報を日本語で広く発信している。毎年日米の都市でイベントを開催し、2019年にはベイエリア支部を発足。今年は10月11日、インターネットライブ配信による講演会を行う。(※1)
 
 女性のがんで日米トップ 
 BCネットワークは10月11日、オンラインでの「乳がん患者歓談会」「乳がん早期発見啓発セミナー」を行います。イベントに先駆け、Cedars Sinai Medical Center Department of Surgery、順天堂大学・乳腺腫瘍科の猪狩史江医師にお話を伺いました。猪狩医師によれば、乳がんの世界的な全体の傾向は変わらず増加傾向で、依然日米ともに女性のがんでトップとのこと。(※2)。また日本と比べ、米国での何らかの環境因子が乳がんのリスクにつながると示唆される報告もあるようです。

 定期検診とセルフケア 
 乳がんで常々重要性が訴えられているのは、検診やセルフチェックによる早期発見。検診は40歳以上の症状のない女性で、2年に1度定期的に受診することが推奨されています。主にマンモグラフィー(MMG)と超音波(US)、視触診があり、併用することで精度が上がる場合もあるようです。また、猪狩医師は、乳がんのリスク要因について「初潮年齢が早い、閉経が遅い、出産経験がない、閉経後のホルモン補充療法(更年期障害を改善するため女性ホルモンを補う治療)を受けている、遺伝」を挙げた上で、「禁煙、過度なアルコール摂取を控えること、適度な運動を行い、肥満を予防することが重要です」と、生活習慣改善による予防の重要性を訴えます。

 乳がんになってしまったら 
 では、もし乳がんの告知を受けたら? 猪狩医師は「当然ですが、がんになって、すぐ受け入れられる人はいません」とした上で、3つの大切なことを挙げてくれました。1つ目は、「自分のがんがどういうものか『相手』を知ること」。まず、乳がんについての知識を得ること、そして不明点があれば主治医に質問することだと言います。「地域差はあるにせよ、アメリカにおける『患者教育(Patient Education)』は日本より進んでいる印象があります」と猪狩医師。2つ目は、「一人で悩まない、抱え込まないこと」。乳がんは他のがんに比べて「長いお付き合い」となるため、身体的なものだけでなく精神力も必要。「生活スタイル(独身・家族持ち・子どもの有無など)により、悩みも違うと思います。家族や友人をはじめ、主治医や患者会などで知り合った同じ病気を持つ方々などと悩みを共有するだけでも、精神的な負担を軽減できる可能性があり、治療に対する意欲も変わってくると思います。自分の心と身体を支えてくれるサポーターを見つけましょう」と話してくれました。そして3つ目は、「優先順位をつけて、一つひとつ課題を解決していくこと」。乳がん治療にも最適な順番があります。それぞれの治療に対し、焦らず、一つひとつ取り組んでいくことが大切だと言えそうです。

 最後に猪狩医師は、「先日私自身も医療機関を受診する機会がありました。受診・検査予約のストレスや、外国人医師の診察など緊張の連続でしたが、受診することによって、精神的な安心を得られました。海外での検診を含めた病院受診は、不便なことも多くストレスですが、ご自身の大切な身体のために、しっかりとメンテナンスをしていきましょう」と自身の経験にも触れ、検査や受診の大切さを話してくれました。

(BaySpo 2020/10/09号 掲載)

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