頭から足元まで万全なるプロテクトをして取材に対応してくれた高橋先生の姿を見て、パンデミック以降、徹底した感染予防対策をとっていることが伺えました。クリニックには各部屋に空気の洗浄、ウィルス除菌のための紫外線空気清浄機が設置されていて、予約と予約の間は最低でも15分の時間を空けて空気の入替えと消毒を行っていました。診察前の患者さんには、手の消毒、COVID関連の問診票の記入、検温はもちろんのこと、コロナウイルスを抑制する効果が期待できるとADA(アメリカ歯科委員会)で推奨されている、薄めたHydrogen Peroxide(過酸化水素水)を使って1分間のうがいをするなど徹底的な感染対策がされていました。診察中はエアロゾルの飛散予防に、治療はもちろんクリーニングの時でも強いパワーを持つサクションを導入し、エアロゾルの拡散を最小限に留めています。最近は定期検診を先延ばしにしていた患者さんが受診する良い傾向になっていると感じる反面「1年前に詰め物が外れてしまったけど、通院に気が引けてやっと診てもらうことができた。」と語る患者さんの話を聞くと心が痛むのだそう。コロナ禍にあっても、痛みや不具合への早期治療はもちろんのこと、半年に1度の定期検診が重要であることに変わりはない。「コロナを恐れるあまりお口の健康を害してしまっては本末転倒よね」と高橋先生。

現代病の1つであるストレスに加え、コロナによって引き起こされたストレスが重なる悪のスパイラルな日常。ストレスによって身体が感じる不調は人それぞれですが、身体だけでなくお口の健康にも悪影響がもたらされてしまいます。緊張状態が続き口元がへの字になってしまったり、ガチガチに力が入り食いしばりの状態が続いたり、眠っている間の歯ぎしりなど様ざまな状態は、歯が欠けたり、ひびが入ったり歯周病になる原因と隣り合わせ。ストレスを発散・解消させる方法を見出したり、歯科医院で型を取って作るナイトガードで歯を守ることがオススメとのこと。装着の違和感は人それぞれですが、多くの場合は1週間程度で気にならずに眠れるようになるのだそう。特にひびが縦に入ってしまうと修復が不可能で、虫歯でなくてもインプラントなどで対応しなくてはならない大きな治療に繋がってしまうとのことでした。また抜けた歯をそのまま放置してしまうと、歯が移動して見た目に影響が出るだけでなく、噛み合わせが悪くなり痴ほう症に繋がるという医学的根拠も最近では明らかになっています。

歯ブラシでは届かない部分に使われるデンタルフロスに加えて、ウォーターピックと歯間ブラシについて伺ったところ、ウォーターピックは高圧洗浄機のような機能で、歯並びが悪く歯が重なり合った部分や歯茎のポケット内を洗浄するのに優れているそうです。使い方はなるべく噴射したい歯間・歯茎に近づけ45度の角度で当てることにより、汚れが掻き出されるだけでなく、歯茎の中のバクテリアも除去できるので歯肉炎・歯周病予防に効果的。また歯茎が痩せたり下がってきている人にみられる、歯と歯の間に開いた大きめの隙間は、的が大きく噴射が抜けてしまうので歯間ブラシを使って磨くと良いのだそう。(画像1)