1976年にベイエリアで小児科を開業した吉田先生は、「小児のかかりつけのお医者さん」として出生直後の乳児から高校を卒業するまでの子ども達の、成長と健康を見守り続けて来られていました。この度の取材では、吉田先生から開口一番に「リタイヤすることを決めました。」と告白されてとても驚きました。個人的な話になりますが、筆者にとっても24年以上に渡って子どもの成長をフォローしてくださった吉田先生の存在は大きく、子どもの病気や怪我を診てもらうのはもちろん、親の不安までもスッと拭ってもらえるような存在でした。つまり吉田先生は数え切れない程の子どもを診てきたと同時に、数え切れない親達の心に寄り添ってくださる医師として絶大なる信頼を寄せられていました。
子どもが大好きで元気に育っていく姿を見ること、泣いてクリニックに来た子が治療を終えると笑顔になって手を振ってくれる瞬間は、小児科医として幸せのひと時であり吉田先生の若さの秘訣だったのだそう。また中には、出生時から吉田先生に診てもらっていた子どもがママやパパとなって、赤ちゃんを連れて通院するといった「親子二代」を対応することも少なくなく、この上ない喜びを噛み締めるエピソードがあったことなどを語ってくれました。

「若くて優秀な医師がベイエリアにはいるので、安心してバトンを渡してリタイヤできる。今まで多くのサポートをありがとうございました。」を伝えてね! とにっこり笑った吉田先生。振り返ってみれば休みが取れないほど忙しい時代もあったようですが、「子ども達が持つ満ち溢れたプラスのパワーに元気をもらい、医師として永きにわたり幸せな時間を送ることができた。」という良い思い出だけが残っているのだそう。
ベイエリアの日本人小児科医の第一人者として、45年にも渡って尽力、活躍してくださった吉田先生。今後は新しいステージでの健康とご多幸をお祈りするとともに、ベイエリア日系イベントなどで再会できることを楽しみにしたいです。

まだ終わりが見えないコロナ禍という日常は、ストレスによって心身が疲弊し感情が乱れて自己コントロールが難しくなりがち。このような時こそ自己免疫力を高める「幸せホルモン」の代表格であるセロトニンの分泌を促す生活を送ることを心がけて欲しいと吉田先生。セロトニンは脳内で作られる物質で、材料となるトリプトファンはタンパク質・アミノ酸など食物から腸内で生成される物質なので、規則正しい食生活を送ることで多くのトリプトファンを取り入れセロトニンの分泌を促すことに繋がるのだそう。トリプトファンは、日中はセロトニンに変化して感情のコントロールに機能し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化して質の良い睡眠を得るための大切な物質であることを説明してくれました。また食事、睡眠以外で大切となる、適度な運動、日光浴、工夫したソーシャルを通して「幸せホルモン」を増やし自己免疫力を高め、ストレスを予防してコロナに負けない心と身体作りをアドバイスしてくれました。