クリニックにお邪魔してまず目に止まった「STOPサイン」。受付スタッフの対応で、フットカバーを着け検温とハンドサニタイザーという徹底した感染対策に安心するだけでなく、流れるハワイアンBGMに心が落ち着かされました。またクリニック内の動線では患者さん同士がすれ違うことがないようにと、スタッフ間で様子を確認し合う丁寧な対応がなされていました。今回の取材では「ロックダウン後に営業再開となった1年で、森田先生が感じたこと」を中心にお話を伺いました。感染対策を強化し対応することは、患者さん、スタッフ、さらにはその家族やクリニック全体の安全へと繋がるので、この一年間はより良い対策が見つかると積極的にアップデートしていく環境づくりをされてきたようです。空気清浄機や扇風機の設置、各治療室には口腔外バキューム装置を導入して、治療やクリーニング中にサクションで吸引しきれなかったエアロゾルも吸引し、エアロゾルの拡散を最小限に留める対応をされているとのことでした。コロナによってあらゆる意識を高められた経験は、より一層安全な治療を行うことに繋がったと森田先生。

感染率の減少、ワクチンの投与も進み、以前のように多くの患者さんが訪れるようになった昨今においても、未だクリニック通いを躊躇して「定期検診」を先延ばしにしてしまっている患者さんもいるそうです。しかし終息にはまだ時間がかかると予想されているので、先送りで回避できるものではないのが現状。定期検診を受けることは、虫歯・歯周病などを早期発見して治療を受けることが出来るだけでなく、自覚症状を伴わない潜んだ病気を見つけられるなど多くのメリットがもたらされるのに対して、歯に大きなトラブルが起こってからの治療は、肉体的、精神的、そして金銭的にも負担がかかってしまうという悪いこと尽くし。またお子さんには虫歯を経験する前、歯が生え始めた早い段階から歯医者通いを習慣づけておくことで「歯医者さん嫌い」が軽減されるだけでなく、乳歯を虫歯から守るためのフッ素塗布や歯の溝を埋めるシーラントをするなど適切な予防を受けることが可能と、改めて定期検診の重要性について語ってくれました。

日米の歯科保険には大きな相違があり「日本での保険の扱いは基本的に全員同じですが、アメリカでは保険会社やプランによってカバーされる内容が違う」のだそうです。保険でカバーされる1年間の定期検診や歯のクリーニングの頻度が違ったり、かかりつけの歯科医が保険のネットワーク内か、ネットワーク外なのか確認する必要があったり、日本では審美目的とみなされて保険でカバーされない場合がほとんどの、歯列矯正、セラミック治療、インブランなどがアメリカの保険ではカバーされることが多いなどさまざま。歯列矯正で歯並びを整えることは、歯の磨き残しによる虫歯や歯周病を予防できたり、噛み合わせが改善されることで慢性的な偏頭痛や肩こりが改善されることから、歯列矯正は医療と分類されるため、多くの保険が適用されるのだそう。日本よりアメリカの方が保険でカバーされる範囲や技術が大きいこともあるので、この機会に改めて「歯の健康」を見直してみては?