生化学の博士号を持ち現在はマウンテンビューのNASAで微生物の宇宙利用を研究する科学者でありながら、中医学との出会いでその魅力に惹かれ、中医学の修士号を取得するという才媛でエネルギーに溢れる賀川先生。コロナのパンデミックによって数多くの対応や変化を余儀なくされたことで「鍼灸師と患者さん双方の安全確保」をモットーに、徹底した感染予防対策に注力。賀川先生自身はワクチン接種を済ませており対面診療を再開していますが、漢方の処方のみの方などにはオンライン問診の後のち漢方薬を郵送するなど非接触での対応に積極的に取り組まれていました。また初診の方の問診はできるだけ丁寧に時間を取れるようにと、まずはオンラインで問診しクリニックでの施術は2回目以降にしているのだそう。オンライン診療では、顔の状態からむくみや顔色を診たり、会話による声のハリなどから患者さんの状況を診断して、自分でも簡単にできる置き鍼や漢方を処方することで対応したり、施術が必要な患者さんとアポイントを取り付ける段階的な手順を踏み、施術以外の全てにオンライン化が確立されていました。
クリニックにはUV殺菌フィルターのついた空気清浄機、2台の扇風機を設置して換気を行なっていながらも「換気が十分であるのか?」と言う自らの疑問を解消するため、新たに「二酸化炭素モニタ」を取り入れたのだそう。二酸化炭素の濃度を数値として見える化することで、換気状況が確認できて安心できるようになったと話す様子から、賀川先生の科学者気質が感じ取れました。その他にも施術時にはマスク、フェイスシールド、使い捨ての(グローブ・スリーブ・エプロン・診療ベッド上のシート)で対応し、予約と予約の間隔を長くとって消毒・換気をするなど、徹底した感染予防対策をしているので安心して通うことが可能です。

コロナ罹患後にはいくつかの後遺症があると言われていますが、後遺症によって引き起こされる症状は倦怠感、呼吸困難、嗅覚・味覚障害、脱毛、うつなど様々。発症原因がわかっていないため西洋医学での対応は、鎮痛剤やステロイド、抗不安薬の服用などに限定され、根本的な解決につながらないのが現状です。同クリニックでは嗅覚・味覚障害には耳つぼ鍼、脱毛には漢方、倦怠感やうつには鍼灸、漢方といった、東洋医学の多様な治療(施術)によるアプローチで症状を改善することを得意としているので、後遺症からの緩和・回復が期待できるので「不調を感じたら早めに診せてくださいね」と賀川先生。

賀川先生が以前から扱う「置き鍼」はクリニックで購入が可能で、家庭でも安全に鍼治療ができるので「鍼灸師要らずになってしまうわね」と冗談めかして話されていましたが、コロナの影響で来院を躊躇する患者さんには、置き鍼だけでなくシールに極小のマグネットや植物の種が付いた「耳つぼ鍼」を使って、ツボを刺激し続ける「鍼を刺さない鍼治療のやり方」を、オンライン診療で対応してくれるので、クリニックに行かずして体調が改善したと喜ぶ患者さんも。また耳つぼ鍼、置き鍼、漢方は患者さんの自宅に郵送で届けられるので、便利で安全と喜ばれているそうです。