King Hand Chinese Medicine Acupuncture Centerの景山先生は、アメリカに来る前は日本で「銀座中国健康整体院」を14年間にわたって開いていました。先生の治療はさまざまな不調の緩和、ダイエットや美顔にも効果があるとして、日本の雑誌や新聞に取り上げられたり、日本文化振興会の「国際アカデミー賞」を受賞するなど注目を集めていました。2011年にアメリカに来てからは、カリフォルニア州のライセンスを取得し、クパチーノとパロアルトで開業。このたびクリニックを一カ所に統合して、クパチーノ・シティホールからも近く、アクセスも便利な場所に移転しました。
景山先生の所には、パーキンソン病、リンパがんの診断を受けた人、全身の痛み、不眠、首・肩・腰の痛みなどいろいろな症状を抱えた患者さんが来ます。なかには、先生の評判を聞きつけて台湾から渡米し、1カ月滞在して治療を受けた人もいたそうで、アメリカ人患者も多いそうです。先生は、「アメリカでは痛み止めなど薬を常用している人が多いのですが、私の治療で薬の量が減らせることもあります」と言い、鍼とともにツボに「気」を入れるマッサージ(先生は「治療用のカンフー」と呼ぶ)を施すことで、痛みで動かしづらかった腕や肩もみるみる楽になったなどと感謝されているそうです。
ダイエットについては、ストレスなどが原因の食べ過ぎは、脳内にある食欲・性欲などの欲求を管理する部分の調子が悪くなっている一種の病的な状態で、脳から間違った信号が送られているのが原因で、それが治療で治まると、身長と体重にあった量しか食べたくなくなって、自然に健康的なスタイルになるといいます。
中国で3千年前に書かれた医学書に、治せない6種類の人間についての記述があったそうです。それらは、@偏見を持っている、頑固な人 Aお金を払いたくない人 B虚弱すぎる人 C話を聞かない人 D暴飲暴食など悪い生活習慣を改めない人 E中医学を信じず、迷信だと思っている人、だそうです。3千年も前に書かれたことが現在にも通じる所があると笑う景山先生。二つの医学との違いを、「西洋医学は体のこわれた部分から治そうとしますが、東洋医学は人間を全体的にみて治すという考え方が違う」として、「薬もあまり効かないほどの状態になっているときは、鍼がよく効きます」と説明します。
先生の名刺やパンフレットに使われている写真で、先生が手に持っている長い鍼は、今では世界でもほんの少しの人しか使うことができないそうで、使用するには経絡(けいらく)と呼ばれる体内を循環する気の通路にある、いくつものツボを貫通するように打つ難しい技術が必要なのだそう。40年以上の経験と実績の積み重ねに裏付けされた自身の治療技術について、「父から治療法を受け継いだ自分は本当に運がいいと思っている」と言う先生は、その腕でこれからも多くの人を助けたいと考えているそうです。