O-1ビザとIビザ
 ご存知のとおり、新規H―1Bビザは、ここ数年抽選になっており、全員の申請が受付される訳ではありません。その結果抽選に漏れた申請者は、他の労働ビザを探すか、その可能性もなければ、母国へ帰国するといった必要がでてきます。また、他の労働ビザとしてEビザ、L―1ビザがありますが、これは、駐在員によく用いられますが、業界での十分な経験が求められ、経験がないか、浅い方は、難しいものがあります。そこで、H―1Bビザ、Eビザ、L―1ビザ以外のビザの可能性を今回探って見たいと思います。

 O―1ビザ 

 O―1ビザは、ビザ取得は決して簡単とはいえません。なぜかと言いますと、専門の分野での非凡な能力を持っている方が申請できる規定になっていますが、その専門分野でのトップクラスの人が該当するので、その条件を満たすのが、難しいです。

 専門分野はビジネス、アート、スポーツ、科学、教育他の様々な分野を含みます。トップクラスの定義ですが、国際的にトップクラスである場合は、もちろんですが、自分の国の専門分野のトップクラスという形でも申請できます。さらに、日本であれば、関東地域、関西地域といったような単位でも可能性があります。また、例えば、調理人や各種デザイナーも実績があれば申請可能です。
 申請者は、専門分野での活躍をいろいろな書類で証明していく必要があります。専門分野での賞があれば証明し易いです。賞以外では、専門誌、業界紙、新聞の記事、業界の権威からの推薦状といったようなものが証明になります。申請は、米国の雇用主が、専門の申請書に証明書類を添え、米国移民局へ送付して行います。移民局の審査時間は、数ヶ月に及びます。移民局の許可の後、母国の米国大使館でO―1ビザスタンプ(査証)を発行してもらい、その後米国に入国します。O―1での米国滞在期限ですが、雇用主との雇用契約の長さによって決まります。
 O―1ビザを取得できる方は、永住権の取得の可能性も比較的高いです。永住権申請には、いろいろカテゴリーがありますが、O―1と同じように、業界でのトップクラスという条件で申請できるカテゴリーあり、若干移民局の審査は、O―1より厳しい傾向はあるものの、条件はO―1とほぼ同じになります。

 Iビザ 

 Iビザは、記者、報道関係者のための特派員ビザです。自分の母国等での記者の経験を証明できれば申請できます。例えば、専門の出版社で雇われていなくとも、自分の仕事柄IT系の記事をいくつかの出版社のために書いたことがあれば、Iビザ用の経験として利用できます。

 申請は、派遣元のメデイア関連の会社がビザスポンサーとなり、移民局申請なしに、母国の米国大使館に直接Iビザスタンプを申し込むことができます。その派遣元との派遣契約の有効期間の間、米国に滞在可能になります。

 先に説明しましたが、新規H―1Bビザは、抽選になるのが予想され、申請受付の保証がありません。ですので、すこしでも可能性がありそうであれば、一度他のビザの可能性も探って見ていただいたほうが良いと思います。

(BaySpo 2014/12/19号 掲載)
有澤保険事務所

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