新規Hー1Bビザは、2017年度申請が2016年4月7日で締切りになり、申請者多数で抽選になりました。相変わらず倍率が高く、多くの申請者が抽選に漏れることになります。抽選に漏れた申請者は、他の一時滞在または就労ビザを探すか、その可能性もなければ自国へ帰国するといった必要がでてきます。
当事務所のお客様の例ですが、Hー1Bビザの可能性もあったのですが、特派員ビザを取得し、現在、米国で働いている人がいます。今回はHー1B以外のビザの可能性を探るため、特派員ビザの条件、申請の方法について説明いたします。
特派員ビザは、Iビザといいます。テレビ、新聞、専門誌、雑誌等、報道関係者、記者のためのビザになります。特派員が米国で取材し、自国へ情報を発信する活動に必要なビザです。具体的な活動例としては、ニュース撮影、スポーツイベントの報道といったようなものがあり、フリーランスジャーナリストも、一定の条件を満たせばIビザが取得できます。Iビザは業界での経験が問われますし、その経験を証明する必要があります。派遣元の報道機関がビザのスポンサーになります。その会社の経験証明が必要ですが、ビザ申請以前にその会社に雇われた経験がない場合でも、その業界で経験がある場合は、その業界での経験を元に申請は可能です。例えば、IT系の出版社がビザスポンサーになる場合、申請者個人はその会社で雇われていなくとも、IT系の記事をいくつかの出版社のために書いたことがあれば、Iビザ用の経験として利用できます。また、米国の大学でマスコミ関連の専攻をしていて、いくつか記事を書いた実績があれば経験として利用できる可能性があります。
Iビザは、移民局申請なしに自国の米国大使館に直接申し込むことができます。その派遣元との派遣契約の有効期間の間、米国に滞在可能になります。この辺は、他の一時就労ビザに比較して、ある程度長期の滞在も可能になります。
米国大使館での申請方法は次のような流れになります。まずは申請必要書類を準備します。必要書類には、パスポート、顔写真、雇用証明または経験証明が含まれます。その次にビザの面接を予約します。オンラインで予約しますが、DSー160というフォームに必要事項を入力し、所定の面接手数料をクレジットカードで支払うと面接日を確定できます。米国大使館は1年を通して混雑しているので、早めに準備したほうがよいでしょう。
面接日の設定が終われば、あとは面接日に所定の書類を持参し、面接を受けます。まずは受付で必要書類を渡します。その後内部に通され指紋採取があります。その後、領事と面接になります。面接では業界での経験、米国での活動内容といったようなことについて、質問を受けます。面接が無事終了すれば、概ね1週間程度でビザが貼付されたパスポートが申請者指定の場所に送られてきます。その後、渡航が可能になります。ご家族が同行する場合は、戸籍謄本が必要になります。
以上、Iビザの条件、申請方法について説明してきましたが、他の一時就労ビザと比較して、業界での経験をきちんと証明できれば、取得の難易度はそれほど高くありません。