雇用ベース永住権と PERM申請
 雇用ベース永住権申請をする場合、永住権申請書を雇用主を通して米国移民局へ提出します。雇用ベース永住権は通常3つのカテゴリー(EBー1、EBー2、EBー3)の中で自分に適したものを選択します。EBー1は優先就業者、EBー2は大学院卒業資格を持つ専門職、研究職、EBー3は4年制大学資格を持つ専門職と2年以上の職務経験を持つ技能職ということになります。EBー2、EBー3については、移民局申請前に米国連邦労働局よりLabor Certificationを受けておく必要があります。この手続きはPERM申請と呼ばれています。今回は永住権申請において、申請手順が複雑なこのPERMについて説明いたします。

 Labor Certificationとは 

 移民法上、雇用ベース永住権でEBー2とEBー3の申請スポンサーである雇用主は、永住権申請書提出の前にLabor Certification(労働条件許可)を、連邦労働局より取得しておくことを要求されています。Labor Certificationは、永住権申請者個人の職についての給料、勤務時間、勤務地外の労働条件を審査してもらうものです。その職の雇用条件が米国労働者に悪影響を与えないと判断されれば、許可をもらえることになります。それでは具体的にどのようにPERM申請を行い、許可を受けるかを見ていきましょう。

 PERM申請の手順 

 雇用主が永住権申請をして外国人を雇う際、給料を設定しますが、この給料はその地域の同じ職の平均賃金と同じ額か、それ以上になる必要があります。この平均賃金は連邦労働局が額を決めています。雇用主は、最新平均賃金の調査依頼票を連邦労働局へインターネットを通し提出します。平均賃金情報を取得するには2カ月前後かかります。
 その後、雇用主は米国労働者向けに求人活動を行います。これは外国人労働者を雇用する前に、米国人労働者に雇用の機会を与えるためです。雇用主は様々な求人媒体に求人広告を載せ、求職者を募ります。EBー2、EBー3とも、すくなくとも5回の求人広告を出す必要があります。その地方の主要な新聞の日曜版に2回出すのは必須で、その他、業界誌、インターネットの求人広告サービス、会社のウェブサイトに1回ずつといったような形です。ただし、EBー3の熟練技能者については2回の広告で十分で、その地方の主要な新聞の日曜版に2回出せばいいことになっています。
 求人活動の証拠ですが、PERM申請の6カ月前までの活動について証拠として利用できます。求人活動が終了し、その結果、適当な米国人労働者が見つからなかった場合に限り、PERM申請を行えます。申請はインターネットで行います。連邦労働局はPERM申請を受け取り審査に入りますが、ケースにより審査時間はまちまちで、もっとも早いものは申請後数カ月程度で許可になる可能性がありますが、審査途中で質問が来る場合もあり、この場合は6カ月を超える審査時間になることもあります。PERM申請が許可になれば、雇用主はIー140永住権申請書を移民局へ提出できます。
 PERM申請は、平均賃金情報取得からLabor Certification取得まで手続きが複雑ですので、経験のある移民法弁護士に相談したほうがよいでしょう。

(BaySpo 2016/08/19号 掲載)
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