米国国務省主催の2018年度抽選永住権(DV―2018)の応募受付が2016年10月4日より始まりました。応募受付は2016年11月7日(米国東部時間の正午)までになります。今号では2018年度抽選永住権の応募要領について、米国国務省発表の情報に基づき説明いたします。
抽選永住権は、正式には移民多様化ビザ抽選プログラム(Diversity Immigrant Visa Program)と呼ばれています。年間5万人がこの抽選プログラムで永住権を取得できるようになっています。過去米国への移民が比較的少ない国々に対し、このプログラムが設けられていますが、過去に多くの移民を米国に送り出している国に関しては非該当国となり、このプログラムを利用できません。非該当国は次のとおりです。
バングラデシュ、ブラジル、カナダ、中国、コロンビア、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、ハイチ、インド、ジャマイカ、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、ペルー、フィリピン、韓国、英国(北アイルランドは除く)およびその領土、ベトナム。ただし、香港、マカオ、台湾で出生している方は、申請できます。
応募条件ですが、下記の2つの条件を満たす必要があります。
@該当国生まれであること *しかし次の方も応募できます。
A 応募者が非該当国の出身で、配偶者が該当国の出身の場合
B 応募者が非該当国で生まれた場合でも、両親が非該当国ではなく該当国で生まれている場合
A教育または職歴について下記の条件を満たしていること
高校卒業資格のある方。また、高校卒業資格がない場合でも、2年以上の実務経験が必要な職に関して、過去5年中2年以上その実務経験のある方。この実務経験については、米国労働省が基準を設定。基準は労働省のO*NET Onlineで確認できます。
米国国務省のウェブサイト(dvlottery.state.gov)を通して申し込みます。申し込みに手数料はとくにありません。応募の際、過去6カ月以内に撮影されたデジタル写真を提出する必要があります。応募者1人につき2通以上の応募があった場合、応募は無効となります。締め切りが近づくと、応募が多数重なりウェブサイトがスローになる可能性あります。ですので最終日を待たず、なるべく早めに申込みしたほうがよいと思われます。
当選者はコンピュータ抽選で、無作為に選ばれることになります。当選については2017年5月2日より発表される予定です。当選の有無を知るためには、国務省のDV―2018ウェブサイトにアクセスして確認できます。
当選者は移民ビザ(永住権)の申請ができます。移民ビザの手続は2017年10月1日より2018年9月30日の間に行う必要があります。
実際の当選者は5万人を遥かに上回る数になります。しかし最終的に永住権を取得できるのは5万人であり、全員が必ず永住権を取得できると保証されているわけではありません。また当選者には当選番号が割り当てされますが、永住権の手続きは大陸ごとの割り当て番号順に受付され、当選番号順位が後の人については、2018年9月30日の期限に間に合わない人も出て来る可能性あります。例えば、ある当選者がアジアの1万2500番とします。もし毎月1000人しか受付されないということになれば、1年間で1万2000番の人までしか永住権が取得できないことになり、結果受付までたどり着けないということになります。その月に何番までの人が申請できるかについては、国務省が毎月発表していきますので、それを注意してみていく必要があります。