2018年度新規H―1Bビザ(専門職)申請は、2017年4月1日より申請受付が始まります。2017年度は申請者多数により、申請受付より1週間で年度枠(6万5000)に達し締め切りとなり、その後抽選となってしまいました。申請者数は最初の1週間で23万を超えました。2018年度も2017年度と同じように早い時期に年度枠に達すると予想されます。申請者数が多数の場合でも、最初の1週間は受付されるように規則で決まっています。受付期間が1週間しかないので、この間に確実に受付されるよう早めの準備が肝心です。今号では2018年度新規H―1Bビザの条件、申請手順、注意点について説明していきます。
H―1Bビザは専門職用ビザで、米国の4年制大学卒業資格が最低条件になっています。しかし、米国の大学だけでなく、海外の大学卒業資格でも申請が可能です。海外の大学の卒業資格を利用する場合は、H―1Bビザを申請する前に、米国の学歴評価団体より海外の大学の卒業資格が米国の大学と同等の資格であるという証(Evaluation)を貰う必要があります。
H―1Bビザの専門職の例ですが、会計士、エンジニア、医師、弁護士、教師、科学者、編集者、建築士、インテリアデザイナーといったような職業があります。新規H―1Bビザは年度ごとに申請数の枠があり6万5000となっています。また、この6万5000枠とは別に、米国の大学院またはそれ以上の資格のある人には、2万の枠が別途設定されています。H―1Bビザ申請は、ビザスポンサーである米国の雇用主が書類を整え、移民局へ提出します。
H―1Bビザ申請で肝心な点は、申請者の大学の専攻と雇用先での職務が相当関連している必要があることです。関連性がない、あるいは弱い場合は、許可をとるのが難しくなります。また、H―1Bビザの規則で、雇用主がその地域のその職の平均賃金、またはそれ以上の額を支給することが義務付けられています。
H―1Bビザの申請は申請書を移民局へ提出する前に、連邦労働局よりLCA(労働条件許可)を取得する必要があります。このLCAはH―1Bビザ申請書に添付します。H―1Bビザ申請書は、他に雇用主のサポートレター、移民局専用フォームI―129、大学の卒業証明といったような書類を添付します。この申請書に移民局手数料を添え、指定の移民局サービスセンターへ送付します。LCAについての注意点ですが、インターネットで取得できますが、取得には1〜2週間要します。とくに3月の後半はLCAの申請数が非常に多くなり、通常より時間がかかる可能性も十分あるので、なるべく早めに進めておいたほうがよいでしょう。
移民局での新規H―1Bビザの審査時間ですが、多数の申請者が短期間に集中することもあり、近年非常に時間がかかるようになってきており、申請書提出より6カ月近くかかることが珍しくありません。ただし移民局特急審査を利用すれば、審査時間をだいぶ短縮することが可能です。
2017年度新規H―1Bビザについては、2017年4月1日より申請受付が開始しまずが、実際にH―1Bの資格で働き始めることができるのは、2017年10月1日が最初の日になります。
米国に滞中のF―1留学生が、大学卒業後のプラクティカルトレーニングを受けている場合で、新規H―1Bビザを申請する場合は、特別な取り扱い規定があります。通常はプラクティカルトレーニングの最終日を越えて労働することはできません。しかし、プラクティカルトレーニングの期限が有効である間に新規H―1Bビザの申請をし、受付になれば、その後その有効期限を過ぎても、審査の間はプラクティカルトレーニングが延長扱いとなり、合法滞在となり、審査結果が出るまで労働できるようになります。もし後日、この取扱についての変更があればお知らせいたします。
6万5000枠を上回った場合は抽選になり、当選した人には申請受領書が移民局より送られてきます。抽選に漏れた場合は後日、申請者に申請書一式が戻されてきます。
2018年度も短期間の間に多くの申請があることが予想されますので、なるべく早めの時期より申請準備に入ることをお勧めいたします。