当事務所には、様々な労働ビザについての問い合わせがありますが、最近Oー1ビザについての問い合わせが数件ありました。Oー1ビザも労働ビザのひとつですが、専門の分野で非凡な能力を持っている人が申請できます。他の労働ビザに比較して取得が難しいビザです。しかし、条件的に合う人が読者の中にもいらっしゃるかもしれません。今号ではこのOー1ビザについて説明いたします。
Oー1ビザは、ビジネス、アート、スポーツ、科学、教育というような分野で、国際的に活躍している人が申請できます。また自分の国でトップクラスの活躍をしている人も申請可能です。一般的に他の労働ビザより審査が厳しいです。トップクラスであることを証明する書類をいくつも出さなければいけません。メジャーリーグスポーツ選手やアカデミー賞、グラミー賞受賞者であれば取得は難しくありません。しかし、このようなトップクラスでなくとも、許可事例はいろいろ出ています。例えばこのような賞を取っていなくとも、業界で商業的にかなり成功した実績があり、その実績の証明ができればOー1ビザ申請可能です。また、専門分野の特許をとっている人も可能性があるかもしれません。当事務所でも過去にスーパービジネスマン、デザイナー、ミュージシャン、芸術家といったような方々のOー1ビザ取得をサポートしております。
Oー1ビザ申請では、その人の活動実績を裏付ける証拠が重要になってきます。細かくはこの次の申請手続きのところで説明します。
Oー1ビザは、米国の雇用主が申請者となり申請します。Iー129という専用フォームを米国移民局へ提出して行います。雇用主は法人だけでなく、エージェントである個人も可能です。添付書類としては、活動実績の証拠、パスポートコピー、学校の卒業証明、米国での雇用証明といったようなものが必要になります。活動実績の証拠書類としては、業界の権威からの推薦状、受賞の証明、専門誌や業界紙での自分の活動について書かれた記事、商業的成功の証明書類といったようなものが含まれます。実績がある人でも活動実績の裏付け書類が十分でないと、審査途中で追加資料の要求がきます。
通常の審査時間は、数カ月ないし6カ月程度と予想されます。通常審査の他に特急審査も利用できます。特急審査を利用すれば、最短で15日で結果が出ます。しかし、特急審査を利用しても追加資料の要求があった場合は、最初の申請書提出より1〜2カ月はかかります。
Oー1ビザの滞在期限は、米国雇用主との契約期間の長さで決まってきます。たとえば、2年契約であればOー1ビザの期間も2年になります。ただし、最初の滞在は3年が限度になります。その後は必要に応じ1年単位で延長可能です。
無事、移民局から許可が下りれば、後日、移民局よりの許可書をもとに、米国大使館で米国入国のためのOー1ビザスタンプ取得の手続きができます。なお、Oー1の条件を持っている人は、同じ条件が要求される雇用ベース永住権
(EBー1)も申請可能です。