2014年4月1日より、2015年度新規H―1Bビザの申請受付が始まります。H―1Bビザは専門職のためのビザで、4年生大学卒業者、大学院卒業者が申請できます。F―1で米国に留学している留学生の多くは、卒業後、実務研修(Optional Practical Training=OPT)を受けますが、実務研修の後、米国で就職を希望する場合、利用されるのがH―1Bビザです。今号ではOPTからどのようにH―1Bビザに切り替えをしていくかを説明します。
OPTは米国留学生が短大、4年制大学、大学院を卒業後、米国企業で実務研修が受けられる制度です。自分が専攻した分野と関連した職務に就くことが必要です。通常12ヶ月ですが、科学、技術、工学、数学を専攻した人は、12ヶ月に加え、17ヶ月の延長を認められることも可能です。
新規H―1Bビザの申請受付は、毎年4月1日より開始しますが、許可を受けて実際働くことができるのは、一番早い場合でも、その年の10月1日からになります。OPTの有効期限が少なくとも9月30日まであれば、働くことができない空白期間はありませんが、9月30日の前にOPTの有効期限が切れる場合は空白期間が生じます。しかし近年、移民法のH―1B申請に関しての規則が改められ、一定の条件を満たせば、有効期限が切れても継続して働けるようになりました。この規則の適用を受けるためには、4月1日以降においてOPTの期限が有効であって、その有効なOPT期間中に新規H―1Bのビザ申請書を移民局へ提出すれば、移民局による審査期間中はOPTの有効期限を超えた場合でも、継続してOPTの条件で労働および滞在が可能になります。例えば、OPTの期限が5月31日で、新規H―1Bビザ申請書を5月20日に移民局へ提出した場合、OPTの有効期限内に新規H―1Bビザ申請書を提出したことになるので、審査終了または9月30日までは、OPTとして継続して働くことが可能です。
申請が拒否になった場合ですが、OPTの有効期限が過ぎていれば、拒否の時点で労働する資格はなくなります。しかし、まだOPTの期間が残っていれば、残りの期間はOPTとして働くことが可能です。この規則に基づいて新規H―1Bビザ申請した人は、申請後、学校のDSO(Designated School Official)へ通告する義務があります。
2014年度新規H―1Bビザ申請は、2013年4月1日に申請受付が開始されましたが、わずか1週間で受付終了となり、しかも、申請者が所定の割当数をかなり上回ったため、抽選となってしまいました。2015年度も同じような形になる可能性が十分あります。少なくとも抽選には持ち込めるよう、書類の準備は早めに行い、2014年4月第1週には、移民局に申請書が受付されるよう心がけた方が良いと思われます。