2019年度新規Hー1Bビザ(専門職)申請は、2018年4月1日より申請受付が始まります。2018年度(2017年4月1日受付開始)も、申請受付より申請者が多数あったため、1週間で年度枠(6万5000)に達し、締め切りとなり、その後抽選が行われました。2019年度も2018年度と同じように早い時期に年度枠に達すると予想されます。最近は、受付期間が1週間しかないので、この間に確実に受付されるよう早めの準備が肝心です。今号では2019年度新規Hー1Bビザの条件、申請手順、注意点について説明していきます。
Hー1Bビザは専門職ビザで、4年制大学卒業資格が最低条件になっています。米国の大学だけでなく、海外の大学卒業資格でも申請が可能です。海外の大学の卒業資格を利用する場合は、Hー1Bビザを申請する前に、米国の学歴評価(Evaluation)団体より、海外の大学の卒業資格が米国の大学と同等の資格であるという証明を貰う必要があります。
Hー1Bビザの専門職の例ですが、会計士、エンジニア、医師、弁護士、教師、科学者、編集者、建築士、インテリアデザイナーといったような職業があります。新規Hー1Bビザは年度ごとに申請数の枠があり、6万5000となっています。また、この6万5000枠とは別に、米国の大学院またはそれ以上の資格のある人には、2万の枠が別途設定されています。
Hー1Bビザ申請は、4年制大学卒業資格が必須ですが、その大学での専攻と雇用先での職務が相当関連している必要があります。関連性がない場合は、許可をとるのが難しくなります。ただし、社会での専門職としての実務経験を利用できる場合もあるので、ケースバイケースの分析が必要です。また、Hー1Bビザ申請ではその職の給料を設定する必要ありますが、雇用主はその地域のその職の平均賃金、またはそれ以上の額を支給することが義務付けられています。
Hー1Bビザ申請は申請書を移民局へ提出する前に、連邦労働局よりLCA(労働条件許可)を取得する必要があります。このLCAは後日、移民局に提出するHー1Bビザ申請書に添付します。Hー1Bビザ申請書には、雇用主のサポートレター、移民局専用フォームIー129、大学の卒業証明といったような書類が含まれます。この申請書に移民局手数料分の小切手を添え、指定の移民局サービスセンターへ送付します。LCAについての注意点ですが、インターネットで取得できますが、取得には1週間から2週間要します。特に3月の後半はLCAの申請数が非常に多くなり、通常より時間がかかる可能性も十分あるので、なるべく早めに進めておいたほうがよいでしょう。
移民局での新規Hー1Bビザの審査時間ですが、多数の申請者が短期間に集中することもあり、近年非常に時間がかかるようになってきており、申請書提出より6カ月前後かかることが珍しくありません。移民局特急審査を利用できるかどうかについては後日、移民局より発表があると思われます。
新年度申請における注意点
@2019年度新規Hー1Bビザについては、2018年4月1日より申請受付が開始しますが、実際にHー1Bの資格で働き始めることができるのは、2018年10月1日が最初の日になります。
A米国に滞在中のFー1留学生が、大学卒業後のプラクティカルトレーニングを受けている場合で、新規Hー1Bビザを申請する場合は、特別な取り扱い規定があります。通常は、プラクティカルトレーニングの最終日を越えて労働することはできません。しかし、プラクティカルトレーニングの期限が有効である間に新規Hー1Bビザの申請をし、受付になれば、その後有効期限を過ぎても審査の間はプラクティカルトレーニングが延長扱い及び合法滞在となり、審査結果が出るまで労働できるようになります。もし後日、この取り扱いについての変更があればお知らせいたします。
B6万5000枠を上回った場合は、抽選になり、当選した人には、申請受領書が移民局より送られてきます。抽選に漏れた場合は後日、申請者に申請書一式が戻されてきます。
C2018年度Hー1Bビザ申請についてですが、RFE(Request for Evidence)=質問状が数多く発行されました。とくに賃金についての質問が多くなっております。Hー1Bビザの平均賃金は、連邦労働局の基準に従う必要があります。職の難易度、経験年数によりレベル1からレベル4に分類されていて、レベル4が1番高い賃金になります。以前まではほとんど問題なかったのですが、2018年度の審査においてはレベル1だと専門職としては低すぎるという指摘も多くでてきています。このあたり、レベル2あるいはレベル3の設定にしないと、許可をもらうのが難しくなるかもしれません。