米国での事業開始とビザ
 最近は、個人の投資家が、米国に会社を立ち上げ、事業を開始するケースが増えているように思えます。当事務所でも、そのような投資家のビザ申請をサポートをしていますが、事業を始めるには、どのようなビザが適当かを、今号で説明いたします。


  初期段階 

投資家は、米国で事業を始める前に、まずは、米国内で市場調査、事務所の物件探し、その後、内装工事、機器、設備の購入といったような活動が必要になります。日本人投資家は、ビザなしで入国した場合でも、このような準備活動が可能です。しかし、ビザなし渡航は、90日の滞在期限があり、いろいろな準備をするには、時間が短いです。90日以上の滞在が必要になる場合は、Bー
1ビザが適しています。Bー1ビザは、出張や事業立ち上げのようなビジネス目的になり、一度の滞在で、6カ月滞在することが可能です。6カ月あれば、先に説明した活動をこなすことができます。また、さらなる活動が必要な場合は、最大で6カ月の滞在延長が可能になります。このBー1ビザの申請方法ですが、米国大使館に申請し、面接を経て取得することになります。投資家の場合、面接には、ビジネスプラン、預金の残高証明といったような書類が必要になります。


  事業開始 

 米国での事業を始めるための準備が整い、その後米国で働くためには、一時就労ビザを取得する必要があります。投資家に適しているのは、Eビザ(投資ビザ)になります。このEビザですが、全ての国の人が申請できるわけではなく、ビザ申請者の属する国が、米国と通商条約を交わしていることが必要になります。日本は、米国と通商条約を交わしているので、申請が可能です。Eビザは、Eー1ビザとEー2ビザに分かれます。会社事業が貿易事業であれば、Eー1ビザに該当します。貿易の流れに関してですが、主に日米間でなされている必要があります。ビザの審査のときは、貿易量と金額の規模が重要になってきます。サービスの提供、小売、生産、投資等を行う事業については、Eー2ビザが該当します。Eー2ビザについては、資本金と設備投資の規模を重点的に見られます。また、最近は、米国人の雇用を促進するかどうかも、大事な点として見られます。資本金については絶対的な金額の基準はありませんが、その事業を進めて行くための十分な投資であることが要求されます。申請者の家族の生活を満たすだけの投資とみられると、Eー2ビザ取得は難しいでしょう。

 Eビザは、投資家だけでなく、米国会社で働く日本人従業員(管理職、特殊技能職)も取得可能です。従業員ビザのための条件ですが、業界での専門的な分野での十分な実務経験があるかどうかが大事になってきます。

 Eビザも、米国大使館で申請します。その会社ではじめてEビザを申請する時、同時に会社登録という手続きも必要になってきます。この会社登録に概ね7から8週間の時間がかかります。この会社登録事務が終了すると、まもなく面接になります。二人目以降の申請については、会社登録事務がないので、面接までの時間をだいぶ短縮できます。Eビザは、一度に最大で5年間有効なビザをもらえます。更新も複数回可能です。

(BaySpo 2018/07/20号 掲載)
有澤保険事務所

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