宗教ビザと条件
 米国で一時就労するためには、雇用主にビザスポンサーになってもらい、ビザ申請する必要があります。一時就労ビザの典型的なものとしては、Hー1Bビザ(専門職)、Lー1ビザ(国際企業転勤)、Eビザ(投資家)があります。あと、各業界でトップクラスの活躍をしている方は、Oー1ビザを申請できます。更にあまり知られてはいませんが、宗教関係者用のビザ(Rー1)もあります。今回は、この宗教関係者ビザについて、条件、申請方法について説明いたします。

  宗教ビザの条件 

 宗教ビザは、宗教関係者が、外国の関連宗教団体より米国の支部機関に派遣され米国で労働するための一時就労ビザになります。米国の支部機関が、ビザのスポンサーになります。申請者個人は、外国の関連宗教団体で2年以上牧師、僧侶、その他の宗教的専門職として勤務、活動している実績が必要になります。一般事務職は、該当しません。
 ビザ申請は、先に述べましたが、米国の支部機関が行います。この支部機関は、米国IRSより、非営利団体として認定されている必要があります。米国の宗教団体でIRSより認定されていれば、どのような種類の団体でも申請が可能です。

 米国での滞在活動期間ですが、最大で30カ月が可能になります。滞在延長が必要な場合は、さらに最大で30カ月の滞在が可能になるため、合計で最大60カ月(5年)滞在できることになります。

  宗教ビザの申請方法 

 宗教ビザは、米国の支部機関が、Iー129という申請書を作成し、移民局の指定のセンターに提出します。必要書類としては、支部機関は、最新の米国団体の決算報告書、従業員の給料支払証明、宗教団体の規定、外国の関連団体についての資料、IRSからの非営利団体の証明といったような書類を準備する必要があります。ビザ申請者個人については、外国団体からの在職証明、宗教職任命証明、経歴書といったような書類が必要になります。移民局の審査は、通常審査の場合は6カ月近くかかることもありますが、特急審査を利用すれば、だいぶ短縮することも可能です。米国支部機関に過去の宗教ビザ申請の実績がない場合は、この移民局の審査の間に、移民局の調査官による米国支部機関への立ち入り調査が入ります。この立ち入り調査が入った場合、特急審査を利用できたとしても、かなりの時間がかかるようになります。

 移民局は、許可の決定をすると、Iー797という許可書を米国の支部機関に送ります。このIー797をもとに、自国の米国大使館でビザスタンプ(査証)申請が可能になります。申請者の家族(配偶者と子供)も家族ビザが取得できます。ビザスタンプ取得後、渡米可能になります。

  宗教ビザと永住権 

 宗教ビザの条件に当てはまる人は、永住権申請(EBー4)も可能になります。永住権スポンサーは、同じ米国の支部機関になります。申請書類は、ほぼ宗教ビザ書類と同じになります。また、スポンサーによる米国人に対しての求人活動といったようなことは必要ないので、外の雇用ベース永住権より、時間的に比較的短時間で取得可能です。

(BaySpo 2018/09/21号 掲載)
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