Department of State（米国国務省）主催の2021年度抽選永住権（DVー2021）の申し込み受付が2019年10月2日より始まりました。受付終了は、2019年11月5日（米国東部時間の正午）です。今号では、2021年度抽選永住権の申し込み要領について、国務省発表の情報に基づき説明いたします。

抽選永住権該当国と非該当国

　抽選永住権は、正式には、移民多様化ビザ抽選プログラム（Diversity Immigrant Visa Program）と呼ばれています。2021年度については55000人がこの抽選プログラムで永住権を取得できるようになっています。過去米国への移民が比較的少ない国々に対し、このプログラムが設けられていますが、過去に多くの移民を米国に送り出している国に関しては、非該当国となり、このプログラムを利用できません。非該当国は次のとおりです。
　バングラデイッシュ、ブラジル、カナダ、中国、コロンビア、ドミニカ共和国、エルサルバドル、グアテマラ、ハイチ、インド、ジャマイカ、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、韓国、英国（北アイルランドは除く）およびその領土、ベトナム
　ただし、香港、マカオ、台湾で出生している方は、申請できます。

申し込み条件

　申し込み条件ですが、下記の2つの条件を満たす必要があります。
【1】該当国生まれであること
　＊しかし、次の方々も申し込みできます。
�@申し込み者が、非該当国の出身で、配偶者が該当国の出身の場合
�A申し込み者が非該当国で生まれた場合でも、両親がその非該当国ではなく、該当国で生まれている場合（この条件については、詳しくは、国務省のウェブサイト（dvlottery.state.gov）で確認できます。

【2】教育または職歴について下記の条件を満たす必要がある
高校卒業資格のある方は応募できます。また、高校卒業資格がない場合でも、2年以上の実務経験が必要な職に関して、過去5年の中で2年以上その実務経験のある方も応募できます。この実務経験については、米国労働省が基準を設定しています。労働省のO*NET Onlineで確認できます。

申し込み方法

　米国国務省ウェブサイト（dvlottery.state.gov）を通し、インターネットを利用して申し込みします。申し込みに手数料はかかりません。申し込みの際、過去6カ月以内に撮影されたデジタル写真を提出する必要があります。申し込み者1人につき2通以上の応募があった場合、申し込みは無効となります。締め切りが近づくと、申し込みが多数になり、ウェブサイトが、スローになる可能性あります。ですので、最終日を待たず、なるべく早めに申込みしたほうがよいです。

抽選と当選者

　当選者は、コンピューターによる抽選になり、無作為に選ばれることになります。当選については、2019年5月5日より発表される予定です。この当選の有無を知るためには、国務省のDV-2021ウェブサイトにアクセスし、確認できます。
　当選者は、移民ビザ（永住権）の申請ができます。移民ビザの手続は、2020年10月1日より2021年9月30日の間に行う必要があります。

抽選永住権当選後の 手続きについての注意点

　実際の当選者は、5万5000人を遥かに上回る数になります。しかし、最終的に永住権を取得できるのは、5万5000人なので、全員が必ず永住権を取得できると保証されているわけではありません。また、当選者には、当選番号が割り当てされますが、永住権の手続きは、大陸ごとの割り当て番号順にできることになっています。当選番号順位の後の人については、期限である2021年9月30日に間に合わない人も出てくる可能性あります。例えば、当選者の番号がアジアの1万4000番とします。もし、アジアで毎月1000人しか、移民ビザの割当がなければ、1年間で1万2000番の人までしか、永住権が取得できないことになり、結果、1万4000番については、永住権取得をできないということになります。その月に、何番までの人が移民ビザ申請できるかについては、米国国務省がVisa Bulletinで毎月発表していきますので、それを注意して見て行くが必要があります。