米国永住者は、10年有効のグリーンカードを持っています。有効期限が近づいて来たら、カードを更新する必要があります。グリーンカードは永住者としての資格を証明しますし、米国再入国の際の必要書類の一つになります。今号では、申請手順と最近の更新申請の状況について、ご説明いたします。
グリーンカードの更新申請は、カードの有効期限の6カ月前より可能になります。最近は、発行まで以前より時間がかかるようになっていますので、なるべく早めに申請をしたほうがよいです。
更新申請の手順ですが、まずはI︱90という移民局の専用フォームを準備します。このフォームはUSCISのウェブサイトより無料でダウンロードできます。I︱90の内容ですが、氏名、住所、生年月の情報のほか、永住権取得日、永住権取得場所といったような情報が必要になります。このI︱90申請では、移民局より要求された書類を準備する必要があります。この書類ですが、グリーンカードコピー(表、裏)とパスポートの顔写真のページのコピーになります。I︱90と必要書類に移民局手数料用の小切手を添付し、移民局の指定の住所に送付します。送付の際は、到着が確認できる方法で送ることをお勧めします。
I︱90が移民局に到着し、概ね2週間程度で、移民局よりI︱90受領書(I︱797)が送られてきます。これに、申請の受付番号が載ってきます。後日、移民局に確認事項がある場合は、この番号が必要になってくるので、大事に保管しておく必要があります。この受領書を受け取ってから数週間後に、指紋採取を行う必要があります。移民局の指定の場所へ、指定の日時に行くよう指示した移民局よりのレターが届きます。指定の日時に指紋採取にいくと、いまのグリーンカードに臨時の永住権証明(通常1年間有効)を押してもらえます。この指紋採取では、面接はありません。指紋採取を終えれば、あとは、グリーンカード発行を待つだけになります。
永住者の中には期限がない古いバージョンのグリーンカードをお持ちの方も多いと思います。このタイプのカードは、発行がだいぶ前のものですが、今でも有効です。しかし、近年米国を出国し、再入国の際に、移民局の係官よりカードを更新するよう指示されることが多くなっています。古いバージョンのものは、発行されてからかなりの年月が経過していて、容貌が変化しているので、証明としては適当ではないとされているからです。古いバージョンのカードをもっている方は、いつでも、最新のカードに切り替える申請ができます。申請手順は、先に説明した流れと同じになります。
なお、カードの更新を忘れた場合も、更新手続は可能です。もちろん、更新し忘れに気づいた時は、なるべく早めにI︱90を提出したほうがよいです。
先に説明しましたが、グリーンカード更新手続きは、期限の6カ月前から可能です。移民局の発行までの時間ですが、最近の移民局の発表を見ますと、審査時間は、12カ月程度ということです。この時間より早く発行されることもあります。ですので、実際はだいぶ発行時間に幅があります。
移民局がグリーンカードを郵送し、申請者が指定した住所が見つからず、郵便局より移民局に戻ってきたカードについては、申請者より移民局へ住所変更の連絡がないと破棄される可能性あります。ですので、住所変更をした人は注意が必要です。破棄されるのを防ぐには、住所変更したら、速やかに住所変更届けを移民局に提出することです。移民局のウェブサイトを通し住所変更手続きが可能です。住所変更は、変更の日より10日以内に行う必要があります。