現在コロナウイルスが広まっている状況下で仕事や勉強に大きな影響を受けている方が多いと思います。米国ビザの更新をしたいが、この状況下で簡単には日本へは帰国できない、どうしたら滞在延長を受けられるのか、ビザとI-94の違いはなにかという質問をいただくことが多くなっています。今回は、米国での滞在許可、滞在延長、ビザの役割についてご説明いたします。
米国での滞在期限を証明するものは、CBP(米国税関国境警備局)が発行するI-94になります。I-94はCBPにより出入国記録、米国滞在の有効期限のデータが管理されています。以前は、紙のI-94が入国で発行されていましたが、現在は、ほとんどは紙での発行ではなく、入国スタンプで代えられています。この入国スタンプに滞在期限が記入されます。ですので、入国の時に必ずスタンプにある期限を確認する必要があります。I-94の出入国記録については、USCISのウェブサイトで確認することが可能です。
滞在延長が必要な方は、米国移民局に滞在延長申請書を提出する必要があります。労働ビザを持っている方は、I-129という書式になり、ビジネス等の旅行者についてはI-539という書式になります。とくにI-129については、様々な書類を準備する必要があります。また、技術的にも難しい場合が多いので、ほとんどの場合は移民法弁護士を通して申請します。I-129には、会社からのサポートレター、決算書、会社の事業を紹介する書類、個人の経験を証明する書類、卒業証明、職業に関連した免許の証明といたような書類が必要になってきます。I-129は、現在の期限の6カ月前より更新申請書を提出することができます。また、特急審査を利用できる場合もあります。通常審査は数カ月から半年程度かかることが多いですが、特急審査を利用するとだいぶ短縮することが可能です。
審査が終了し許可になれば、I-797(許可書)が送られてきます。このI-797にI-94がついてきます。このI-94の中に新規の滞在期限が書かれています。
ビザ(査証)は、外国人が米国に入国するために必要な証明になります。ビザは、米国大使館または米国領事館が発行します。
ビザが滞在期限を決めると思っている方も結構いらっしゃいます。しかし、ビザは入国のときに一時的に必要になるもので、実際の滞在は先に説明してようにI-94で決まってきます。一部の種類のビザはビザの期限と滞在期限と同じものがあります。
参考ですが、Eビザは、多くの場合5年間有効のものが発行されます。Eビザの外国人が入国審査で、通常2年間の滞在許可をもらえます。その後、出国し再入国するとその際2年間の滞在許可をもらうことができ、以後同じような形になります。2年で滞在期限が切れるので、今の期限前に一度海外へ出国し再入国するか、そうでなければI-129申請を行い、滞在延長をする必要があります。
ビザ申請は、所定の書類を準備し、面接予約をとり大使館で面接を受けて取得できます。面接で特に問題なければ概ね1週間で発行され、その後米国へ渡航可能になります。しかし、現在は、コロナウイルスの影響で日本の米国大使館、領事館は受付を停止しています。大使館はできる限り早めに再開したい旨を表明していますが、まだ明確な期間は発表されておりません。