外国人が米国で就労する場合は、いくつかの種類の労働ビザがあります。Hー1Bビザは専門職ビザとも呼ばれます。毎年4月1日に新規Hー1Bビザ申請の受付が始まります。この度、Hー1Bビザ申請に大きな影響が出そうな情報が移民局より発表されました。
今回は、Hー1Bビザの条件、申請手順、今後の変更点について説明いたします。(2020年11月2日現在)
Hー1Bビザは、専門職ビザです。この専門職においては、4年制大学卒業資格が求められます。専門職には、教師、会計士、編集者、弁護士、エンジニアといったような職業が含まれます。職によっては大学院の卒業資格が要求されます。
Hー1Bビザは、個人が申請するのではなく、米国の雇用主が申請のスポンサーになり、申請書にサインし、移民局に提出します。
雇用主は、Iー129という移民局所定の申請書を整え、その申請書に添付する書類を準備します。雇用主は、決算書や会社を紹介する書類を準備します。個人は、大学の卒業証明、成績証明や、必要に応じ米国の職に関係した資格の証明を準備します。外国の大学の卒業でも大丈夫です。ただし、米国のEvaluation専門の会社より自分が卒業した大学が米国の大学と同等であることを説明した証明をもらう必要があります。
申請は毎年4月1日から受付ですが、現在は、申請前に事前登録が必要で、その後抽選が行われています。当選すれば移民局より連絡があり、一定の期限までに申請書と必要書類を提出するよう指示があります。抽選に漏れた場合は、申請書が返送されてきます。
当選し、申請書を期日までに送れば、移民局が審査を開始します。移民局は必要に応じ、雇用主に追加資料提出の要求をしてきます。この場合、一定の期限内に書類を準備する必要がでてきます。例えば、雇用主に対しては、過去の雇用実績や求人広告、個人に対しては、過去の米国の滞在資格を表す書類といったようなものです。米国の滞在資格を証明する書類には、パスポートの入国記録、ビザスタンプ、移民局よりの滞在許可書(Iー797)、留学証明(Iー90)、学校からの在籍を証明するレターといったような書類が含まれます。
移民局の審査が終わり許可になれば、許可書(Iー797)が雇用主に送られてきます。この許可書をもとに米国大使館で米国渡航のためのビザ(査証)を取得できるようになります。
最近移民局は、抽選の方法から違う方法へ変える考えを発表しました。これは、高い給料を支払う雇用主に優先的にHー1Bビザ申請の機会を与えるという考えです。まだ、詳細は煮詰まっていませんが、もしこの考えが実現すると、いま適用されている平均賃金の考え方は崩れ、高い給料の職業が優先されることになってしまうかもしれません。Hー1Bビザについては、長年その職業の平均賃金を満たすかどうかが一つの大きな基準でしたが、一気にこれを変えるかもしれません。給料の高い業界が有利になり、その他の業界は不利になるということも考えられます。今後、最新情報がでれば皆さんにお伝えしていきます。