2021年1月に米国の政権が変わり、ビザ関係の手続き、審査状況にも変化がだいぶ出てきそうです。今号では、最新のビザに関する動きについて説明いたします。
新年度においては、給料の高い人が優先的にHー1Bビザを申請できるシステムに変わる予定でした。しかし、最新の移民局の発表によると新システムの導入を2021年度の年末まで伸ばすということです。これによりおそらく2021年度の新規Hー1Bビザ申請受付は昨年と同様の方式で行われる可能性が強いです。昨年は、雇用主はまずは、会社登録を行い、その後抽選により当選した申請者が4月1日以降移民局へ申請書を提出できるというものです。申請書を提出すると移民局は審査に入り、質問がある場合は、質問状を雇用主に送ります。雇用主は一定の期間に回答を返す必要があります。
Lー1ビザは移民局申請はできますが、前政権の大統領令がまだ継続しており、米国大使館での新規Lー1ビザスタンプの申請受付が止まった状態が続いています。一部の例外はありますが、すくなくとも2021年3月31日まで続く予定です。現政権により解除の方向性が示されるかもしれませんが、3月31日までに解除されるかどうかは不透明です。
米国にある国際企業では、多くのLー1ビザの需要があります。しかし、いま続いている大統領令により長い間、ビザスタンプの発行がなされていないため多くのビジネスマンが外国にとどまり本来の活動ができない状態が続いています。早めに前政権の大統領令が終了することが望まれます。
Eビザは、いまのところLー1ビザのような制限はなく、以前と同じような形で米国大使館でのビザ手続きができます。ですので、面接予約をし、面接を受けることが可能です。新規の会社の場合は、面接の前に会社登録をしておく必要があるので、注意が必要です。会社登録の書類審査は通常2〜3カ月の期間を要します。会社登録の審査が一通り終わるとまもなくビザ面接に呼ばれます。
移民局申請においては、審査の遅れがだいぶ見受けられます。以前の審査時間よりさらに数カ月要する場合が多く、審査結果を早めに貰う場合は特急審査を利用することをお勧めします。
特急審査は、最短で15日で結果を出すことも可能です。特急審査でも追加書類の提出のレターが移民局より届いた場合は、2カ月前後審査終了までかかります。
永住者による各種申請ですが、多くの場合指紋採取が要求されます。以前であれば、申請書を提出し、1〜2カ月で指紋採取が行われました。しかし、コロナ禍で大幅に指紋採取が遅れている状況になっています。
永住者が海外へ長期間出る場合は再入国許可を取得しないと永住権を失う可能性がでてきます。この再入国許可申請ですが、専用の申請書を移民局へ提出し後日指紋採取を行います。上記で説明しましたが、指紋採取が遅れているので、できる限り早めに申請することをお勧めします。申請書提出後一時米国を出国することはできます。この場合、指紋採取に戻ってくれば審査に影響はありません。