滞在資格維持と滞在延長
 以前にも米国でのビザでの滞在延長については何度かの機会で説明しましたが、コロナ禍で出入国の不自由さは続いており、滞在延長が必要な人も多いと思います。当事務所にもそのような相談が継続して寄せられています。今回は、非移民ビザの滞在資格と滞在延長の方法について説明したします。

 米国滞在資格 

 米国での滞在資格はIー94で決まってきます。米国に入国する際は有効なビザ(査証)が必要になります。少なくとも入国の時点ではビザの期限が有効である必要があります。しかし、入国後はIー94が滞在資格を決めることになります。入国の際、移民官により入国のスタンプ(Iー94)がパスポートに押されます。このスタンプに滞在期限が記入され、これがその人の滞在期限を決定します。ビザの期限が滞在期限と勘違いされる例が多いですが、滞在期限についてはIー94が重要になります。Iー94の期限が有効であればビザスタンプの期限切れになっても滞在資格に影響はありません。

 Iー94期限は、入国スタンプでも確認できますが、移民局のIー94ウェブページでも確認できます。しかし、このウェブページは移民局内部の事務処理の関係で最新のデータを反映していないことも多く、入国スタンプを確認するほうが安心です。

 具体的な例ですが、Eビザ(投資ビザ)については、入国するごとに2年間有効の滞在許可をもらえます。Eビザの有効期限は多くの場合5年間ですが、実際の滞在期限は2年単位となります。この辺注意が必要です。あとLー1ビザ(駐在員ビザ)も最近では5年間有効のビザが発行されるようになりました。しかし、実際の滞在期限を決めるのは、移民局へ申請し、移民局より発行された許可書(Iー797)の期限が基準となります。Lー1管理職の場合は最初3年間有効の許可書がもらえます。3年間は滞在可能となりますがそれ以上の滞在が必要な場合は、ビザの有効期限が5年であっても、移民局より新たな許可をもらう必要があります。Bビザは出張や病気治療といった目的に利用されますが、一度の滞在期限は6カ月になります。

 滞在延長 
 
 滞在延長は移民局へ専用の申請書を提出して行います。EビザについてはIー129という申請書を準備します。家族についてはIー539という申請書を準備します。Iー129には、ビザのスポンサー会社の決算情報や申請者個人のビザの資格についての書類を添付します。BビザはIー539を準備します。滞在延長が必要になったことを裏付ける書類を準備する必要があります。また、日本との結びつきが強いことを証明する書類の準備も必要です。例えば、銀行の残高証明、雇用証明、住民票、国民年金、厚生年金加入証明、健康保険加入証明といったような書類になります。申請書は現在の期限までに提出する必要があります。また現在の期限の6カ月前より提出が可能です。

 Iー129については特急審査が利用可能です。特急審査は最短で申請書提出後15日で審査結果を得ることも可能です。追加資料の要求が移民局より来た場合は2カ月前後審査に時間がかかる可能性あります。特急審査を利用しない場合は、数カ月〜6カ月程度はかかります。現在はコロナ禍で移民局の審査が遅れており、さらに時間かかる可能性あります。

(BaySpo 2021/05/21号 掲載)
有澤保険事務所

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