米国での事業展開とL-1ビザ
 コロナ禍で、皆さんの事業活動がいろいろ制限されています。米国内は、ワクチンの接種がだいぶ進み、経済活動も今後は活発化しそうです。日本ではようやく最近ワクチン種が進み、今後数カ月でかなりの割合の人が接種を終えるようになりそうです。早めに経済活動が活発になるのが望まれます。経済活動が活発になると、日本から米国への投資活動が増え始めるでしょう。
 今回は、米国で事業をスタートさせ、事業を運営していくため、外国の本社から米国支社へ派遣するための駐在員ビザについて説明いたします。

 L-1ビザ 

 駐在員ビザはL-1ビザと言います。このL-1ビザは、国際企業に利用されるビザです。海外に本社があり、本社より米国の支店に駐在員を派遣する際に用いられます。L-1ビザは、L-1AビザとL-1Bビザに分かれます。L-1Aは、管理職、役員に、L-1Bは、技術者、特殊技能者に利用されます。
 L-1申請者個人の条件ですが、ビザ申請前の3年間に1年以上親会社で勤務している実績が必要になります。L-1Bは、技術者、特殊技能者が申請できますが、近年審査は厳しく審査途中で追加資料の要求がくることも非常に多くなっています。外国の本社での職務内容および米国で予定される職務内容を細かくチェックされます。また職務は相当高度なものである必要があります。
 L-1ビザ申請は、移民局を通して行いますが、必要書類で主なものは、親会社の決算報告書、会社登記簿、給与台帳、米国会社の支店の登記の証明、株券コピー、事務所リースのコピー、申請者個人の実務経験証明といった書類になります。現在、移民局の審査時間は、移民局の公表によると3カ月程度です。しかし追加資料の要求が来た場合は、さらに数カ月の時間がかかる可能性あります。移民局特急審査を利用した場合は、最短で15日で結果がわかります。移民局の許可がでれば、その許可書をもとに後日、米国大使館でビザスタンプ(査証)の申請が必要になります。L-1の米国での滞在期限は、最長でL-1Aで7年、L-1Bで5年になります。

 Eビザとの比較 

 Eビザは投資ビザと呼ばれますが、L-1と同じように駐在員にも利用されます。同じ会社でもL-1でもEビザも利用できる会社が多くあります。L-1とEビザの大きな違いは、投資に重点をおくかどうかになります。Eビザのほうが、L-1よりも投資の内容を重点的にみられます。米国内で新設の会社で事務所の規模が小さかったり、投資が大きくない場合は、L-1を優先して考えたほうがよいでしょう。

 米国大使館でのビザ(査証)申請 

 移民局よりL-1許可をもらえれば、次は米国入国に必要な査証(ビザスタンプ)を取得する必要があります。ビザスタンプは米国大使館での領事との面接を経て取得できます。まずはDS-160フォームを作成し、面接予約をします。面接日に米国大使館に赴き、領事との面接に望みます。面接で許可になれば、その後概ね7日から10日でL-1ビザの貼付されたパスポートが指定の住所に送られてきます。ビザの有効期限に入っていれ
ば、渡米できます。

(BaySpo 2021/06/18号 掲載)
有澤保険事務所

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