当事務所では、雇用ベース永住権だけでなく、親族ベースの永住権申請も取り扱っております。年間を通し、結婚ベース永住権の条件、必要書類について、いろいろ質問を受けます。今号では、結婚ベース永住権の最新情報も交え、結婚ベース永住権の申請の流れと必要書類について説明していきます。
結婚ベース永住権は、米国市民または米国永住権所持者がスポンサーになり、外国人の配偶者のために申請できます。その外国人が米国に、一時ビザで滞在している場合は、一部のビザを除き、その一時滞在ビザから永住権に、米国に滞在したまま切り替えていくことが可能です。
申請は、I―130(永住件申請)とI―485(資格変更)を移民局の指定のセンターへ送付して行います。概ね、申請書提出より、1ヶ月程度で指紋採取を行います。指紋採取の場所、日時は、移民局が指定してきます。I―485の申請の際、同時に労働許可を申請できます。労働許可の取得までは、申請書提出より概ね3ヶ月程度かかります。指紋採取を行った後、数ヵ月後に永住権面接があります。外国人は、スポンサーとともに移民局指定の場所へ行き、面接を受けます。面接で問題なければ、永住権取得となり、面接後、永住権カードが自宅へ郵送されます。ベイエリアにおいては、申請書提出より面接まで、順調にいった場合で、4ヶ月程度です。
外国人が、米国外に在住の場合は、在住する国の最寄の米国大使館を通し申請することが可能です。最初にI―130申請書を移民局へ提出します。I―130の許可後、大使館面接を受けるため、必要書類を準備します。その後、面接設定をし、面接を受けます。面接で問題なければ、Immigrant Visaが発行され、その有効期限内に米国に入国します。それで永住権取得の手続きは終了ということになります。
結婚ベース永住権に必要な書類としては、結婚証明、米国市民または永住権の証明、外国人の出生証明、外国人の健康診断書、スポンサーの所得証明が主な書類になります。また、離婚経歴のある方は、離婚の証明も準備する必要があります。
先に説明しましたが、申請の最後に永住権面接があります。米国内で切り替える場合は、面接のほぼ1ヶ月前に面接通知がきますが、面接には、結婚、同居を証明する書類を持参するよう要求してきます。同居を証明する書類としては、銀行の残高証明、保険加入の証明、光熱水費の請求書、写真といったものになります。写真は重要です。2人の写真、友人あるいは家族と一緒に写した写真を面接までに準備しておきます。
面接においては、結婚までの流れや普段の夫婦の生活について、いろいろ質問を受けます。例えば、どういうように、付き合うようになったか、結婚はいつ決めたかというようなことです。
昨年、米国最高裁の決定を受け、同性結婚による、永住権申請が認められるようになりました。その州で合法的な結婚であれば申請できます。申請の流れ、必要書類については、従来の結婚ベース永住権申請と変わりありません。