外国人が、商用、新規事業開始、あるいは観光目的で米国へ渡航する場合は、Bビザを最寄りの米国大使へ申請し、取得する必要があります。米国とビザ相互免除協定を結んでいる国の国民については、その旅行が90日以内の場合は、Bビザを取得する代わりに、ノービザ渡航の制度(ビザウェイバープログラム)を利用し渡航できます。日本も米国と協定があるので、ノービザ渡航が可能になっています。最近特に、米国で新規に事業を開始したい方より、ノービザ渡航がよいか、Bビザを取得するのがよいか、よく質問を受けます。今回はノービザとBビザの特徴と、どのように使い分けたらよいかを説明いたします。
ノービザ渡航は、90日以内の旅行に限定されます。もし、米国での滞在が短時間であれば、ノービザ渡航は手続きが簡単で、すぐの予定にも対応できます。特別、Bビザ申請の必要はありません。
ノービザ渡航は、様々な旅行目的に利用されます。多くは商用と観光です。ノービザ渡航では、米国内で労働することはできません。就労を目的としない奉仕活動、修理技術者として一時的に派遣される場合、講演活動、各種会議に出席する場合といったものが、商用に含まれます。また、ノービザ渡航は、米国で事業を開始したい人が、その事業の準備目的のため利用できます。ノービザ渡航は、他に、観光、友人親族の訪問、病気治療、アマチュアスポーツ大会への参加といったようなことに利用できます。先に説明しましたが、ノービザ渡航では、90日が限度で滞在を延長することはできません。ですので、必ず90日以内に米国を出国する必要があります。
現在、ノービザ渡航については、渡航認証(ESTA)の取得が義務付けられています。ESTAは、米国国務省のウェブサイトを通し行いますが、比較的短時間で認証を受けることが可能です。それでも、余裕をもって認証を受けておくことが望まれます。過去に逮捕歴あるいは米国での不法滞在歴がある人は、認証を受けるのは難しくなります。その場合は、後日、最寄りの米国大使館または、米国領事館にBビザの申請が必要になってきます。
Bビザは、B―1(商用)とB―2(観光)に分けられますが、基本的に旅行の目的はノービザ渡航と同じです。労働ができないという点もノービザ渡航と同じになります。しかし、滞在可能日数が大きく違ってきます。Bビザでは、最大で180日の滞在が可能になります。また、ビザ無し渡航ではできない、米国内での滞在延長も可能になります。例えば、修理技術者として米国に出張している人が、都合で修理業務が180日を超えて必要になった場合、滞在の延長を米国移民局へ願い出ることが可能になってきます。また、Bビザは、滞在中に他の滞在資格に変更することも可能です。例えば、米国で事業を開始の準備目的で、B―1ビザで入国した人が、後日、事業を開始し、労働するために、Eビザ(投資家)への資格変更を移民局へ願いでることができます。
Bビザは、最寄りの米国大使館または米国領事館に申請し、面接を受ける必要があります。Bビザは、最大で10年間有効のものがもらえ、その間は、何度でもBビザ目的の旅行に利用できます。